食養生-お茶2(20080619)
2009-01-12
こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
前回より馬場乾竹先生から受け継いでこちらのメルマガを執筆することになりました。
はりきゅうによる東洋医学的な不妊治療を受けておられる方(或いはこれから受診
される方)がご自宅でできる養生法を中心にお知らせしていこうと思いますので、
どうぞよろしくお願いします。
さて、前回お茶について少しお話しました。
毎日口にする飲み物ですから、定番のお茶が決まっているおうちも多いですよね。
テレビなどからの情報があふれてますから、○○茶がイイ! と聞けばすぐに取り
入れてみる方も多いのではないでしょうか。
でもね、やっぱりご自身の体質に合ったお茶を選んで飲んでいただくのが一番だと
思います。
漢方的な効能も知っていただいて、その時々の体の状態を考えてお茶を選択して
いただけると、なおイイ! ですね。
では、まずはポピュラーな”紅茶”から解説していきましょう。
紅茶は完熟したお茶の葉を完全発酵させたものです。
普通お茶は「寒」性のものが多いのですが、紅茶は「温」性です。
胃腸を温める働きがあるので、もともと胃腸が弱い方も安心して飲めるお茶です。
消化不良や下痢をしがち、血行が悪い、冷え症、という方に向いています。
けれども、高血圧だったり、東洋医学的にいう”陰虚”の体質の方には余りよく
ありません。
というのも、利尿作用がかなり強いのです。
体内の水を補っていかないといけないのに、利尿してしまってはいけませんよね。
そして、カフェインは心臓に負担をかけますので、血圧が高い方、心臓病や不整脈が
ある方は止めておきましょう。
漢方的な効能をもう少し詳しくみてみると、「醒脳明目」というのがあります。
醒脳明目というのは、視力を改善し、脳の集中力を高めるということです。
実際視力がよくなるかどうかは不明ですが、ストレスや疲労を解消してくれるので、
目も頭もスッキリするということでは、一日の疲れが出てくる午後のお茶にいいです。
眠気覚ましにはピッタリですね。
現代医学的に効能をみると、際立つのが抗菌作用です。
カテキンという成分によるもので、濃く入れた紅茶でうがいをすると風邪の予防に
いいそうですよ。
また、タンニンという成分は血栓を予防するそうです。
ただし、シュウ酸が多いので、鉄分などのミネラルの吸収に悪く、貧血の方は注意が
必要です。
紅茶好きの方ですと、一日に5杯も6杯も飲まれるようです。
そうするとビタミンB1の吸収も減ってしまい、アレルギーや食欲不振、疲れやすい
などの症状が出る恐れがあります。
イギリスのアフタヌーンティは有名ですが、ミルクと一緒にいただくので、
栄養素の消化吸収を邪魔しないそうなんですね。
インドではチャイといって砂糖たっぷりのミルクティが定番ですが、
これは栄養をとる目的もあるのです。
そして、インドの紅茶にはフッ素が多くて虫歯予防にもなるそうですよ。
紅茶というとイギリスが思い浮かぶのですが、発祥は中国です。
キーマンティというのは聞かれたことがあるかもしれませんね。ランの香りがする
そうです。
他にも、インドのダージリンや、スリランカのウバといった有名な紅茶もあり、
さまざまなフレーバーティも市販されていますから、香りを楽しみ、
リラックスしたいときにいろいろ試してみるといいですね。
意外な利用方法なんですが、髪の毛のリンスにも使えるんですよ。
髪をやわらげ、ツヤを出すそうです。
私はヘナ染めをするときにヘナ粉を溶かすのに使っています。
最後に、ピルを飲まれている方、効果を低下させる恐れがあるので、服用前後4時間は
お茶全般を避けたほうがいいですね。
鉄欠乏性貧血になりやすい生理中の方、妊婦の方も飲まないほうがいいんですよ!
いかがでしょう。「私は紅茶向き!」という方、いらっしゃいましたか?
あるいは、「私は紅茶じゃないほうがいいかも」という方もいらっしゃったかも
しれません。
どうぞご自身で判断していってくださいね。
次回はウーロン茶についてです。
では、また次号でお会いしましょう!