食養生-牛乳(20080717)
2009-01-17
こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
前回まで、いろんなお茶を紹介してきました。
ご自分の体質に合ったお茶がみつかったでしょうか?
飲み物シリーズの続編として、お茶ではありませんが、おそらくみなさんが毎日
口にしている”乳製品”について解説しておこうと思います。
一般的には牛乳が一番、そして女性の場合はヨーグルト、そしてチーズ、
といったところでしょうか。
乳酸菌入りのドリンクも多種多様に出ていますので、「お腹のために」
毎日飲まれている方も多いのではないでしょうか。
そして、動物性の乳ではなくて、豆乳の愛好家もたくさんおられますね。
イソフラボンがいい! ということで、牛乳から切り替える方もいらっしゃいます。
スタバなどのカフェでも、豆乳入りの飲み物がありますよね。
健康志向の方が増えてきているのだなぁと思います。
そこで、次回は豆乳についても説明していきましょう。
まずは牛乳です。
牛乳といえはカルシウム。
もともと日本では”高貴な”人しか飲むことのできなかった牛乳。
庶民の口にも入るようになったのは明治以降です。
ですので、日本人には乳糖の消化酵素がなくて、飲むとお腹がゴロゴロしてしまう
方が多いのです。
なくはないのですが、子どもの頃はちゃんと酵素活性があっても、おとなになると
低下してしまうんです。
この酵素活性がなければ、せっかくのカルシウムが吸収できないので、
カルシウム補給の意味がなくなってしまいます。
乳糖は分解されないとどうなるかというと、下痢や腹痛などをおこす
「乳糖不耐症」です。
ですから、多量に牛乳を飲むのはやめましょうね。
もちろん、この酵素活性が高い方は飲んでいただいても大丈夫ですよ。
欧米の白人、中近東の遊牧民やインド人はこの活性が高いので、牛乳は貴重な
カルシウム源になるのですが、アジアの農耕民族のほとんどはこの酵素活性が
低いんですね。
ですから、カルシウムを摂るには、牛乳よりも伝統的な小魚、煮干などが最適です。
ということで、骨粗しょう症の予防には、牛乳ではなく、小魚を食べましょうね。
また、妊娠中や授乳期はとくにカルシウムの所要量が増えますので、小魚以外にも、
豆腐や海草なども豊富に摂取するようにしましょう。
では、私は飲んでも大丈夫! という方へのご注意です。
せっかくのカルシウムも、食物繊維と一緒に摂ると台無しです。
食物繊維と一緒に体外に排出されてしまうんです。
ですから、パンと野菜サラダと牛乳、という朝食メニューはオススメできません。
時間をずらして飲んでくださいね。
とくにほうれん草などと一緒に摂ると結石の原因になるそうですから、
気をつけてくださいね。
緑茶との相性も悪いので、抹茶と合わせたムースなどのデザートなども考え物です。
今度は漢方的な視点から牛乳を見てみましょう。
色が白いので肺にいいのかと思いきや、実は胃や脾に効く「甘」味です。
糖尿病を改善したり、便通をよくしたりする働き以外では、血を補い、
心の機能を回復する作用、体を丈夫にする作用、美肌効果、などがあります。
潤す性質があるので、「陰虚」体質の方にはよいでしょう。
乾燥肌の方は牛乳パックや牛乳風呂がいいようです。
逆に、「陽虚」傾向、つまり冷え症の方や、下痢しがちな方には向きません。
潤す性質ということは体内に余分な水分を滞らせやすいので、
胃腸の弱い方や、食べすぎたり消化不良をおこしやすい方はやめておいたほうが
いいでしょう。
湿度が高い日本では、余分な水分が溜まり易く、それがさまざまな病気のモトと
なってしまいます。
気をつけてくださいね!
さて、次はヨーグルトです。
長寿食として有名なヨーグルト。
牛乳を乳酸菌発酵させたもので、整腸作用があり、新陳代謝を促すために、
老化防止、美肌作用にもつながります。
発酵食品ということで、便秘がちな方はよく食べておられるのではないでしょうか。
ただし、要注意です。
普段から食欲旺盛で食べすぎてる方の便秘には確かに効きますが、
体力がなく、冷え症もある、という方の便秘にはよくないのです。
便秘にも原因がいくつかあるのですね。
発酵しているので、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしちゃう「乳糖不耐症」の方も、
少し安心です。
乳糖が乳酸に分解されているため、牛乳よりは胃腸に優しいのです。
それでも、冷え症の方にはオススメできません。
そして、高血圧で一部の降圧剤を飲んでおられる方は同時に食べると危ないので、
注意が必要です。
漢方的には、「陰虚」傾向のある方にはいいですね。
ですから、食べてもよいのは、食べすぎ傾向の方と「陰虚」傾向の方、
ということになります。
その他の方はやっぱり控えたほうがよいでしょう。
発酵食品なら、日本には伝統の「ぬか漬け」があります!
こちらのほうが私たちのお腹にはフィットするんです。
私たちは無理にヨーグルトを食べ続けても「長寿」にはなりませんので、
それは期待しないでくださいね~(^_^;)
さて、次回は”豆乳”をとりあげます。
はたして、牛乳の代わりになるのでしょうか?!
それでは、また次号でお会いしましょう!