漢方薬-加味逍遥散(20080828)
2009-01-24
こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
涼しくなりましたね!
今日もまた漢方薬のお話をしていきましょう。
漢方薬というのは本来、「○○病には”××湯”」という具合に病症ごとに
処方が決まっているわけではありません。
もともとの体質や、脉、腹証、症状などなどを総合的に判断して、
「”××湯”が適する」と決まるんですね。
ですので、全然違った病名の方でも同じ漢方薬が処方されることもありますし、
同じ病気の方でもまったく違ったお薬の場合もあるわけです。
というわけで、同じ”不妊症”と診断された方でも、その方にピッタリなお薬を
飲んでいただく必要があるのです。
今日は【加味逍遥散(かみしょうようさん)】というお薬について解説しましょう。
更年期障害の方が病院で処方されることが多い漢方薬です。
構成している生薬は、柴胡(さいこ)、芍薬(しゃくやく)、当帰(とうき)、
白朮(びゃくじゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、山梔子(さんしし)、
牡丹皮(ぼたんぴ)、甘草(かんぞう)、生姜(しょうきょう)、薄荷(はっか)
です。
たくさん入ってますが、主役は柴胡・芍薬・当帰です。
もともと虚弱体質の方で、イライラしやすく、午後になると上半身が熱っぽくなる、
そうかといえば急に寒けを感じる、眠れない、めまいや頭痛がする、憂鬱、
脇腹が張って痛むなどといった症状があてはまる方に有効です。
つまり、”不妊症”で、上記のような症状がある方に適しているわけです。
そして便秘がちな方向きですね。月経痛や月経不順もあるでしょう。
こういった多彩な「不定愁訴」のある女性に対し、この薬は全身の体調を整え、
鎮静させる作用がありますので、非常に有効です。
更年期障害に限らず、不妊治療においてもこのお薬がもっと使われたらいいと
思うんです。
不妊治療を長く続けるとストレスがたまり、不妊治療による不妊のごとく
なってしまう方がたまにいらっしゃいます。
精神的なダメージを受け続けると、身体的な症状も出てくるのは不思議では
ありません。そんな方に一度試していただきたいなと思います。
さて来週はもう9月です。
そろそろ秋の味覚についてのお話もいいですよね。
それでは、また次号でお会いしましょう!