食養生-クズ(20081106)

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食養生-クズ(20081106)

2009-02-06

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

11月に入りました。今年も残すところ後二ヶ月です。早いものですねぇ・・・。

今日も風邪に効く漢方生薬のお話です。
生薬というと、なんだか苦そうなイメージですが、全然そんなことないんですよ(^^)

今日取り上げるのは、葛(くず)です。
【葛根湯(かっこんとう)】という漢方薬を一度は飲んだことがある方も多いと思います。
葛根というのが生薬の名前ですが、つまりはクズの根です。
マメ科の多年草で、東アジアの原産です。日本でも各地で自生しています。
葛切りや葛餅の原料は葛粉で、クズの根をさらしてでんぷんを取り出したものです。
夏から秋にかけてがシーズンです。
葛は秋の七草のひとつに入っているんですよ。ご存知でしたか?

本葛と呼ばれるものは生産量も少なく、水に何度もさらして不純物を取り除く
という作業があり、かなり手間もかかりますし、高級な食材です。
奈良の吉野葛が有名ですよね。
葛粉100パーセントのものだけが本葛なのですが、なかには馬鈴薯デンプンなどが
混ざった製品も多く、注意が必要です。
だって葛と違ってジャガイモは体を冷やします。
葛湯を飲んであったまろうと思っても、ジャガイモのデンプンだったら
冷えてしまいます!

この葛の効能ですが、まずは血行をよくしてくれるという作用があります。
なかでも、脳の血流を増加してくれるそうです。
また、免疫力を高めますので、風邪の予防にもいいですね。
発汗解熱作用もありますよ。

東洋医学的に見てみると、この解熱作用のほかにも、下痢を止める働きがあります。
そして、体を潤す性質があり、脾・胃に入ります。
体の「陰」を養ってくれるので、”陰虚”体質の方や、血行が悪い方、
冷え症の方、胃腸の弱い方、老人から子どもさんまで適しています。
反対に余り適さない方はというと、気を昇らせる性質があるので、
のぼせっぽい体質の方や、高血圧の方、あと余分な水分が体に貯まっているタイプ、
普段から食べすぎや消化不良ぎみの方は控えたほうがよいでしょう。
排出したい余分な水分が出ていかないのですね。

ここで【葛根湯】の話に戻りますが、風邪の万能薬のように言われてますが、
初期症状にはすぐれた効き目を発揮してくれます。
発汗作用が強いため、身体に入ってこようとする風邪(ふうじゃ)を
汗とともに追い出してくれるのです。
悪寒がして、首や肩が強ばって痛み、汗が出ず、発熱してきた! というときに
すぐ服用していただくと、とても効果的です。

風邪でなくても、ひどい肩こりや筋肉痛にもおすすめですよ。
ヒヤッとする湿布などを貼ると、その時は気持ちがいいのですが、
根本的な治療にはなっていません。
葛根湯を飲むと、血行がよくなり、内からほぐれますよ。
お試しください。

さて、これは余り知られてないことですが、葛には女性ホルモン様作用があるそうです。
微量ですが、イソフラボンの一種、ダイゼインという成分が含まれています。
これは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあるのですって。
毎日葛湯を飲むというのも飽きますし、片栗粉の代わりにお料理に使ってみては
どうでしょう。汁物のとろみ付けや、あんかけにしたら、これからの季節にも
ぴったりですね。

もちろん、風邪をひいたかな? というときにはショウガ入りの葛湯です。
葛粉を水で溶き、火にかけてとろみが出るまでかきまぜながら煮ます。
器におろしたショウガを入れ、トロトロの葛湯を混ぜいれ、好みで黒砂糖を入れます。
芯からあったまるし、栄養もありますから、これをフーフーいいながら飲んで、
布団にくるまって寝たら、きっと風邪も治ります!
下痢を伴う風邪にもいいですよ。そのときは普通の葛湯よりも濃く作ってくださいね。

さて、次回は「冷え」について考えてみましょう。
本格的冬もすぐそこです。しっかり冷え対策をして、妊娠力をつけましょう!
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!



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