冬の味覚-レンコン(20090205)
2009-02-23
こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
節分も過ぎ、暦ではもう春です!
嬉しい響きですよね、”春”って。
とはいえ、まだまだ寒い時期は続きます。あったかくして過ごしましょうね。
さて、今日は蓮根です。
多年生の水生植物ハスの地下茎が肥大したもので、原産地は中国、
或いはインド、或いはエジプト、と言われています。
中に空洞が通常8~10個あるのですが、輪切りにするとそのたくさんの穴から
「先を見通す」ことができる、と縁起ものとしておせちには欠かせません。
日本では茨城県、徳島県、愛知県などが産地として有名です。
旬は晩秋から冬ですね。
水田に腰までつかっての収穫をテレビでご覧になったことがあるかも
しれません。寒い時期なので、農家の方はたいへんな作業ですね。
大事にいただきましょう!
このレンコン、ほとんどの体質の方に適した食材です。
つまり万人に適していると言ってもいいですね。
かといって食べ過ぎるとお腹が張りやすいので、適度にしておきましょう。
根っこの野菜ですから、不妊治療をされている方にはもってこいでは
ないでしょうか。こまめに摂りたいですね。
では栄養素を見ていきましょう。
主成分は糖質で、でんぷんやムチンになります。
レンコンを割ると糸が引きますね。
あれがムチンという水溶性糖たんぱく質で、レンコン独特の歯ざわりのもとになっています。
胃腸の粘膜を保護してくれますし、たんぱく質や脂肪などの消化を促進し、
胃もたれや胸やけも軽くしてくれます。
意外ですが、ビタミンCが豊富で、みかんの1.5倍、大根の3.7倍だそうです。
また、加熱しても残りやすいのがいいですね。
そしてビタミンB12が多いので、貧血の予防になります。
ミネラルではカリウム、亜鉛、銅、鉄などが含まれます。
不溶性の食物繊維が多く、便秘がちな方や血圧の高い方、動脈硬化が
気になる方にもよいでしょう。
魚介類と一緒に食べると肝臓を強化し、コレステロール値を下げてくれるそうです。
レンコンを切ってそのままにしておくと切り口が黒くなりますが、あれはタンニンのせいです。
胃腸の炎症を改善してくれる働きがあります。
ただ、あく抜きのために水につけると溶け出してしまいますから、
水につけすぎやゆですぎなどすると効果も激減です。
では、漢方的に見てみましょう。
寒熱の性質は平、つまり偏りがありません。
収れん作用がありますが、これはタンニンの働きですね。
あと、潤す作用もありますよ。
五味は甘、渋になります。
臓腑では心、肝、脾、胃によいです。
東洋医学的効能では、まずは生食した場合からいきましょう。
清熱解暑、身体にこもった余分な熱をさまし、暑気あたりを解消します。
生津止渇、のどを潤し、渇きをおさめます。
そして、加熱した場合、
止痢(下痢を止める)、止血作用のほか、
涼血散オ、血の中にこもった余分な熱を除き、血行をよくします。
基本的に健脾養胃といって、胃腸を丈夫にしたり、血を養ってくれる働きが強いです。
とくに虚弱体質で胃腸が弱い方、血行が悪い方、”陰虚”体質の方、に向いているのです。
レンコンは民間療法でもいろんな用いられ方をしていますね。
まずはセキ止め。皮ごとすりおろしてしぼった汁を飲むと痰が切れて、
いいそうですよ。古いものだと水分が少なくて汁が出ませんので、
新鮮なものでやってみてくださいね。
鼻血が出やすい方にもいいそうですし、この汁に大根のおろし汁も
入れてお湯で薄めて飲むと風邪に効くそうです。
お料理をするときは、まずはあく抜きしましょうね。
生でも食べれるものですから、シャキッとした歯ごたえを残すために、
加熱しすぎは控えましょう。けっこう早く火が通ります。
鉄の鍋だと黒くなってしまうので、避けたほうがいいですよ!
甘酢漬けや酢の物が歯ざわりよく、好きな方も多いかもしれません。
キンピラや筑前煮、はさみ揚げなども定番ですね。
すりおろしてレンコン饅頭にするとねっとりとして、かなりいけます。
蒸してあんかけにするととっても上品な味ですよ。
インドではレンコンのカレーもありますから、カレーの具にもいいんじゃないでしょうか。
さまざまな食べ方が楽しめるレンコン。
泥つきの新鮮なものを求めて、毎日の食卓にのせてくださいね。
日本ではハスといえば根っこばかりですが、ハスの実や葉、茎なども食べることはできます。
ベトナムではハスの実をよく食べますが、とってもおいしいんですよ。
それでは、次はちょっと旬からははずれていますが、女性によいといわれる
ザクロを取り上げてみます。
不妊にもよいとザクロ・ジュースを飲まれている方も多いですね。
生理痛がなくなったという方もいらっしゃいました。
ちょっと詳しく見てみましょう。
お楽しみに!
それでは、また次回お会いしましょう。