うめ(20090423)
2009-05-01
こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
おにぎりの具の定番、梅干でおなじみのウメ。
日本の食卓には欠かせない地位をキープしています。
梅干以外にも、梅酒、梅シロップ、梅酢、といった形で食用となるほか、
漢方薬では”烏梅(うばい)”として利用されています。
花は観賞用とされ、各地に梅園がありますね。
日本の風土に古くから溶け込んでいます。
今日はこの梅について掘り下げてみましょう。
何気なさすぎて、意外と知らないこともあると思いますよ。
梅は薔薇科の植物、開花時期は1月下旬から4月初旬、よい香りがします。
「馥郁(ふくいく)」という言葉は梅のためにあるもので、「とってもよい香り」
という意味なんですよ。
「馥郁たる梅の香り」・・・今度使ってみましょう!
梅干は梅雨の頃に実を収穫して作るのですが、
梅の実がなる頃に雨が多いことから”梅雨(つゆ)”というのですよ。
ウメの実の成分として有名なのは”クエン酸”ですね。
これはレモンなどの柑橘類や酢などに含まれる酸っぱい味の成分です。
身体のエネルギーを生み出すために必要ですし、乳酸を分解して
排出するので、疲労の回復や老化防止の効果が高いのです。
乳酸というのは身体の疲労物質なんですね。
これが体内に蓄積することによって身体が疲れたり、筋肉痛になったりするわけです。
激しい運動をした後には酸っぱいものを食べましょう!
ちなみに血液中の糖分の燃焼が良くなり、血糖値が正常化します。
中性脂肪やコレステロールがたまりにくくなります。
ということから、糖尿病、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中の予防になります。
また、腎臓の機能を助け、老廃物の排泄を促すので、血液サラサラ効果があるそうです。
弱アルカリ体質をつくるので、病気に対する抵抗力を高め、免疫力が向上します。
カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルを吸収しやすくするのは
「キレート作用」ですね。
通常は吸収されにくいのですが、クエン酸を一緒に摂ることで、吸収率がアップします。
他にも美肌効果であったり体脂肪の分解促進だったり、美容効果が高いです。
なんだかいいことばっかりですね(^^)
他にも抗菌作用だったり抗ガン作用だったり、きりがないほどたくさんの働きがありますよ。
それでは漢方的に見ていきましょう。
性質は降作用をもち、収れんの働きがあります。
臓腑では肝、脾、肺、大腸に入ります。
生津止渇、つまり唾液などの分泌を促し、口の渇きを止めます。
渋腸止瀉、つまり腸の機能を回復させ、下痢を止めます。
漢方生薬の烏梅は下痢や吐き気を止め、解熱や咳止めによいとされます。
『本草綱目』では「肺を斂め、津を生じ、痰を化し、気を下し、煩を除き、
熱を清くし、腸を渋らし、回虫を安んじ、中を調え、悪肉を去る」とあります。
この”収れん”という作用は、血圧の高い方や熱っぽい体質の方には
非常に有効です。高脂血症だったりドロドロ血が気になる方にも向いています。
ただし、そうかといって梅干をたくさん食べ過ぎるのは塩分過多になりますので
いけませんよ。梅肉エキスのほうがいいですね。
逆に、胃腸が弱い方や気のめぐりが悪い方には余りよくありません。
控えめにしておきましょう。
といっても体調が悪いときにおかゆと梅干1個を食べるくらいは全然大丈夫ですよ!
むしろ、おすすめします。
梅干も調味料として使うとレパートリーが広がります。
和え物や煮物に加えるといいですね。
魚の生臭さをおさえたり、爽やかな酸味が食欲を増したりします。
おいしい梅干を常備しておきたいですね!
さて次回はサプリなのか漢方薬なのか? 炒り麦芽をとりあげてみましょう。
どうぞお楽しみに!
また次回お会いしましょう。