夏の味覚-さくらんぼ(20090528)
2009-05-29
こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
ここ茨木市で新型インフルエンザが発生し、ちょっとたいへんでしたが、
ようやく落ち着いてきました。
とはいえ、うがいや手洗いなどの予防は当分しっかりしていきましょう!
今日は初夏の果物、さくらんぼです。
桜の実です。桜はバラ科の落葉樹。
丸くて赤い小さな実がなりますね。
春を彩る桜は観賞用で、実はなりますが、大きくはなりません。
山形県の有名な佐藤錦、高級品のイメージですが、珍しさも手伝って非常においしいです(^^)
果肉が赤黒いアメリカンチェリーも甘味が強く、やみつきになりますね。
歴史的には、日本には江戸時代に清から家具や彫刻用の木材として伝わり、
食用は明治初期にドイツから伝わってきたそうです。
旬が短いので、季節を感じる味覚として、味わいたいですね。
栄養としては、主成分は糖質ですが、
ビタミンA、B1、B2、C、E、カリウム、鉄分、葉酸、リンなどが含まれます。
アメリカンチェリーの色はポリフェノールの一種のアントシアニンです。
これは毛細血管を強化し、目の疲れの回復に効果があります。
酸味のもと、レモンやオレンジに多いクエン酸がさくらんぼにも多く含まれますが、
これは疲労回復や老化防止に役立つだけでなく、
カルシウムの吸収を高める働きもありますよ。
骨の強化にいいでしょう。
豊富な鉄分と葉酸は貧血予防にいいですね。
カリウムは体内のナトリウムを排出する働きがありますので、
高血圧予防や利尿効果がありますし、むくみにもいいでしょう。
最近の研究ではメラトニンが含まれているという報告があり、
これは睡眠を促進しますので、不眠ぎみの方は試してみてください。
さくらんぼの実は小さくて、そのうえ真中の種がけっこう大きいので可食部分はわずかです。
ですので栄養価的にはそれほど期待できるものではありませんが、
この時期だけの果物ですし、造血ビタミンである葉酸を効率よく摂取するために
ちょっと奮発してみてはいかがでしょうか。
さて、漢方的に見ていきましょう。
性質は熱性、潤作用があります。
臓腑では脾・胃に入ります。
熱性ということは、虚弱体質で胃腸の弱い方や、
冷え症のきつい方にはとてもおすすめできる果物なんです。
逆に、熱っぽい方や”陰虚”体質の方には向きません。
余計に症状が重くなります。
喘息や肺炎などの熱症状がある方は注意が必要です。
東洋医学的効能としては、
益脾調中止痢、つまり胃腸の働きをよくして消化吸収力をつけ、
下痢を止めるという働きです。
他にも女性にとって嬉しい美顔効果があります。
虚弱体質の方の体質改善のためにおすすめなのがさくらんぼのお酒です。
甘くなくてもいいので、旬のものを1キロほど買い求め、
洗って水分をよくふき取った軸つきのさくらんぼを
焼酎1.8リットルに砂糖150グラムと一緒に漬け込みます。
冷暗所に3~6ヶ月置き、さかずき1杯ほどを毎日飲みます。
こうすれば、さくらんぼを旬を過ぎても楽しむことができますし、
熱を加えていないのでクエン酸やビタミンCが減らずに、栄養を上手に摂ることができます。
ただ、糖分が多いので、糖尿ぎみの方は注意してください。
さて次回は、暑くなると爽やかなミントの香りがうれしいものですが、
ハッカについて取り上げてみましょう。
どうぞお楽しみに!
また次回お会いしましょう。