夏の味覚-あわび(20090806)
2009-08-11
こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
やっと、やっと! 梅雨があけました。
セミの声が必死に聞こえます。
さて、今日は貝類のなかでも高級品で有名なアワビ、鮑をとりあげます。
お寿司屋さんでもけっこう高くて勇気がいりますね(^o^;)
貝といっても一枚貝の一種です。
ミミガイ科に属しています。旬は夏です。
なぜなら、アワビのえさは昆布やワカメなどの海草類なんです。
えさの海草が夏になると多くなるので、アワビもおいしくなるんですね。
日本では縄文時代でも食用にされていたそうですし、
貝殻は装身具に加工され利用されてきました。
お中元などにつける「のし」はもともとはアワビを乾燥させてのばした
「熨斗アワビ」が本来の姿だったのです。
今は簡略化されて印刷された紙になりましたね。
栄養面では、グルタミン酸、アルギニン、グリコーゲン、タウリン、カルシウムなどです。
グルタミン酸はアミノ酸のひとつで、昆布やチーズ、緑茶、シイタケ、
トマトなどにも多く含まれています。
うま味成分として有名です。
実は母乳にもグルタミン酸が非常に多く、人間が最初に出会ううま味、なんですね!
働きとしては、たんぱく質の合成や分解で、脳内では神経伝達物質として
認知や記憶、学習にとても大事な役割を果たします。
といっても、食べたグルタミン酸が脳に入ることはありませんよ。
私たちの体の中でもつくれているのです。
アルギニンもアミノ酸の一種で、アンチエイジング効果があるそうです。
老化の防止、美肌、生活習慣病の予防改善効果が期待できます。
グリコーゲンは多糖で、体内では肝臓と骨格筋で合成され、
余ったグルコース(ブドウ糖)を貯蔵する手段です。
エネルギーの一時的な保蔵方法です。
肝臓や筋肉にグリコーゲンの蓄えがあると、必要なときにすぐ分解して
糖質を取り出すことができるんですね。
脂肪とちがって、すぐにブドウ糖に分解できるというメリットがあります。
タウリンは交感神経を抑制する作用があり、高血圧、脳卒中、心臓病
などの予防になります。
このタウリンを摂取するためには、アワビを調理したら出てくる汁も
残さずにいただかなくてはいけません。
アワビ粥なんて、とってもいい調理法ですね!
アワビのカルシウム含有量は非常に優秀です。
カルシウムは骨や歯を強くしてくれるだけでなく、精神安定や
血液の凝固作用促進など、けっこう重要な働きをしていますよ。
では漢方的に見ていきましょう。
性質は平、つまり寒性でも温性でもありません。
潤す働きがあります。
臓腑では、肝と腎に入り、五味はカン(しおからい)味です。
東洋医学的効能としては、
滋陰清熱、身体を潤し、熱をさましてくれます。
養肝明目、肝臓の機能を高め、視力を改善してくれます。
体質的には、わりとどんな方でもOKですが、
消化しにくいところがありますので、胃腸が弱いかた、消化不良の方は
控えめに、”陰虚”体質の方は体質的には向いているのですが
食べすぎには注意しましょう。
ドライアイが気になる方は、クコの実と合わせてアワビ粥がいいですね!
暑い夏に熱いお粥! これが元気のモトですよ~!
さて、次回はちょっと珍しい野菜を取り上げてみましょう。
キンシンサイ(金針菜)です。
どうぞお楽しみに。
また次回お会いしましょう。