秋の味覚-じゃがいも(20090820)
2009-08-21
こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
朝晩はだいぶ涼しくなりましたね。秋もすぐそこです。
今日はお馴染みのじゃがいも、馬鈴薯をとりあげましょう。
一年中手に入るおいもですが、旬は秋、冬の野菜です。
ただし、春にも収穫があり、新じゃがとして出回っています。
芋とはいってもナス科の植物で、地下茎(塊茎)を食用とします。
原産は南米のアンデス山脈といわれています。
16世紀にヨーロッパに伝わり、日本には17世紀にオランダ人によって
ジャカルタからもたらされました。
よって、当時ジャガタラと呼ばれていたジャカルタが由来の名前、
「ジャガタライモ」→「ジャガイモ」なんですね。
痩せた土壌でも栽培しやすく、年に2回収穫できるため、庶民を飢餓から
救ってきた歴史があります。
品種が多く、世界に2千種以上あると言われています。
ジャガイモの種成分はデンプンで、そのために主食として食されている国もあります。
このデンプンによってビタミンCが包まれていますので、ビタミンCの流出が防げるのです。
いも類の中でジャガイモのビタミンC含有量がトップなんですが、
通常ビタミンCは加熱に弱いのですが、デンプンに包まれていることによって
熱に強いのです。
ビタミンCはウイルスへの抵抗力を高めて風邪の予防に役立つだけでなく、
コラーゲンの生成や維持に欠かせず、抗酸化作用によって老化や動脈硬化などの
予防にもなり、鉄分の吸収や貧血予防としての働きもあります。
また、いも類だけでなく全野菜中一番含有量が多い、というのがカリウムです。
これまでにも何度もカリウムについてはお伝えしてきましたとおり、
カリウムには利尿作用があり、ナトリウムを体外に排出して血圧を下げる働きがあります。
他にも筋肉の収縮を円滑にしたり、エネルギーの生産を助けたりといった
非常に大切な役割があります。
塩分摂りすぎが気になる方には意識して摂取するようにしてくださいね。
カリウムは水に溶けやすく、尿として排出されやすいので、常に食べ物から
摂取しなければいけませんよ。
他にも、葉酸、ビタミンB群、マグネシウム、鉄、食物繊維なども豊富です。
それでは漢方的に見ていきましょう。
性質は平、降作用があります。
臓腑では脾、胃、腎に入ります。
五味は甘です。
東洋医学的な効能としては、
健脾益気、消化器系の働きを活発にして気を補います。
和胃調中、胃腸の調子を整えます。
止痛、胃の痛みを止めます。
地下茎は寒性がありますので、血圧の高い方や微熱のある方にはいいのですが、
冷え症の方にはよくありません。
腎臓の機能が弱っていて、尿の出が少ない方はとくに注意です。
火を通して食べると胃腸を丈夫にしますので、
胃腸が弱い方や子どもさんでも安心です。
ただ、食べ過ぎるとガスが発生しやすいため、とくに消化不良がある方は
控えめにしておきましょう。
ジャガイモの青い芽には毒があります。
嘔吐や下痢の原因となりますので、必ず取り除いてくださいね。
肉じゃがやコロッケ、カレーなど、家庭の味には欠かせないジャガイモ。
この夏は日照不足のため、収穫量が減ってしまったそうです。
スーパーではちょっと高めになっています。
くせがないので、煮物、炒め物、揚げ物、卵料理、汁物、サラダ、
なんだっていける万能野菜なのに、痛いですね。
秋らしく、こっくりとした煮っ転がし、そろそろ食べたいですね!
では、次回は秋の果物のトップバッターとして、イチジクをとりあげます。
どうぞお楽しみに。
また次回お会いしましょう。