秋の味覚-ごぼう(20091029)
2009-11-02
こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
紅葉の季節になってまいりました。
今日は代表的な根菜、ゴボウを取り上げてみましょう。
ゴボウはキク科の植物で、血仲介から西部アジアが原産です。
日本へは中国から伝わり、もともと薬草として利用されていて、
食用となったは江戸時代以降なんです。
今ではきんぴらや煮物には欠かせない食材ですね。
最近はゴボウ・サラダも人気です。
旬は初冬頃ですが、初夏には新ゴボウが出回ります。
根っこを食材(野菜)とする地域は意外と少なく、日本と朝鮮半島だけなんですね。
でもヨーロッパでは葉をサラダにして食べるそうなんですよ。
どんな味なんでしょうね!
ゴボウで一番注目したいのは、やっぱり食物繊維。
野菜のなかでもピカ一です。(可食部100グラム中約6グラム)
タケノコの2倍、セロリの4倍だそうですよ。
便秘解消に効く食物繊維ですが、2種類あるのはご存知でしょうか。
水溶性と不溶性です。
ゴボウに含まれるのは不溶性のセルロースやリグニン。
腸内の老廃物を掃除して便通を整え、便秘の改善に役立ちます。
コレステロールの排泄も促進しますし、腸内の善玉菌の活動を活発にし、
悪玉菌の繁殖を抑えます。
リグニンは抗菌作用があり、腸内の発ガン物質を吸着して排泄するので、
これが大腸ガンの予防に効果があるのです。
ただ、ミネラル類も一緒に排出してしまって吸収しにくくするという
性質もあります。
ミネラルの多い野菜と一緒には余り食べないほうがよさそうです。
アルギニンという成分は性ホルモンの分泌を助けます。
ですから、男性不妊の方には精子を増やし、
女性の方には生理不順を改善する働きがあるのも注目しましょう。
この成分、精がつく、ということで、スタミナドリンクにも入っているんですよ。
さて、次に漢方的に見ていきましょう。
性質は、寒性、降・散作用があります。
臓腑では、肺・胃に入ります。
五味では苦・辛味です。
東洋医学的な効能としては、
解毒利咽、つまり体内の毒素を排出し、のどの腫れや痛みをやわらげます。
疎散風熱透疹、のどから発症した風邪に効き、肺炎になるのを防ぎます。
根っこの野菜は身体をあたためるはずなのに寒性?
これは五味にその理由があります。
「辛味」は発散の力があり、発汗作用があります。
そのため、寒気を追い払い、利尿作用で体内の余分な水分を除き、
気のめぐりをよくするので、身体が温まるのです。
体質的には、やっぱり日ごろから食べすぎてしまう方、微熱があり、血圧が高い方、
気や血のめぐりが悪い方、などに最適です。
食物繊維が豊富、ということは消化がしにくいということですので、
胃腸の弱い虚弱体質の方や、”陰虚”体質の方は控えめにお願いします。
さて、上記のような有効な成分はゴボウの皮の部分に多いのです。
ですので、調理するときは皮をむきすぎないことが大事です。
よくこすり洗いをして泥汚れを落とし、アク抜きもほどほどに。
栄養を重視、そして独特の芳香を残したいならそのまま調理、
味にこだわるなら、アク抜き、という感じです。
私はゴボウのきんぴらが大好きで、ゴマをたっぷり入れて、
最後にゴマ油をひと垂らし。ごはんが進みます!
そして、かき揚げにもゼッタイ欠かせません。
あの歯ざわりがたまりませんよね。
あ~ 食べたくなってきました!!
“ごぼう抜き”っていう言葉がありますが、あれは正確にいうと
とうてい無理なんだそうですよ。
ゴボウは抜くものじゃなくって、掘るものなんですって。
実際、抜こうと思っても、根毛が多くて抜けないそうです。
ですから、よっぽどの力という意味で使うにはいいフレーズですね。
では、これからの季節、風邪の予防にもいいゴボウ、
ホルモン分泌にも一役かうこともわかりましたし、ぜひ活用してみてください。
さて次回は、キウイフルーツをとりあげてみましょう。
どうぞお楽しみに。
また次回お会いしましょう。