冬の味覚-さといも(20100114)

不妊鍼灸.net へようこそ

冬の味覚-さといも(20100114)

2010-01-15

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
寒中お見舞い申し上げます。

今日はさといもを取り上げてみましょう。
胃にやさしいので、お正月過ぎのこの時期、煮っ転がし以外にも工夫して
食卓にあげていきましょう。

里芋はサトイモ科の植物。
いかにも日本がルーツ的なお芋ですが、マレー地方が原産です。
熱帯アジアの主食となっているタロイモは親戚です。
普段食用とするのは地下にある太った茎、塊茎といわれる部分です。
そして地上の茎はズイキといって、これも食べますよね。
日本には縄文時代に伝来したそうですが、
山地に自生するヤマイモに対して、人里で栽培されることからサトイモと
命名されたそうです。

種芋から子芋、孫芋がたくさんできることから、子孫繁栄のおめでたい縁起物と
されます。
子芋のことを「芋の子」と呼び、たくさんのサトイモについた土をたらいで洗う
様子から、慣用句の「芋の子を洗う」という表現も生まれました。
満員電車や初詣の人ごみのことを比喩して言いますよね。
独特のぬめりのせいで胃にやさしく、低カロリーながらも食べ応えもあるため、
昔から重宝されてきました。

サトイモの主成分はでんぶんですが、あのぬめりはガラクタンとムチンという成分に
よるものです。
食物繊維のガラクタンは脳細胞を活性化させて痴呆を予防するだけでなく、
免疫力を高め、ガンを予防します。
血糖値や血圧、コレステロール値を下げる働きもありますよ。
ムチンは体内でグルクロン酸となり、胃腸の粘膜を保護し、たんぱく質の消化吸収を
助けます。
肝臓を強化する働きもあるそうです。
どちらも整腸作用があって便通もよくする効果があります。

サトイモの皮をむくと手が痒くなる方も多いと思います。
これは皮に近い部分にあるシュウ酸カルシウムのせいです。
この結晶が皮膚に刺さることによって痒くなるんですね。
予防するには、洗った後十分乾かしてから皮をむくか、
手を塩をつけるか酢水につけてからむくといいそうです。
酢と一緒に摂取すると、カルシウムや鉄分の吸収がよくなるそうですので、
覚えておくといいですね。

食べる以外にも利用価値があるサトイモ。
生のサトイモをすりおろして、小麦粉と酢をまぜて湿布にするのです。
打ち身やねん挫、神経痛、肩のコリなどの痛みや腫れにいいのです。
乾いたら新しいものに取り替えます。
昔からの生活の知恵ですが、とてもよく効きますよ。

それでは漢方的に見ていきましょう。
性質は平、つまり寒熱の偏りがありません。
滑、降、潤性があります。
臓腑では脾胃、肝に入ります。
五味は辛になります。

東洋医学的な効能としては、
益脾胃や調中気、つまり胃腸を助け、丈夫にします。
化痰和胃、痰を排除し、胃の機能を回復します。
清熱消腫、皮膚の炎症を収めます(生の場合)。

体質的には胃腸が弱くて食欲がない方や、”陰虚”体質の方に向きます。
ただ、もともと胃腸が弱い方や、食べすぎて消化不良の方は
たくさん食べるとお腹が張りますのでご注意ください。
血圧の高い方や妊婦さん、子どもさんにはいいでしょう。
滋養強壮の働きが強く、とくに消化器系への作用が大きい、薬効のある食材です。

食べ方として一般的なのは煮物や田楽、きぬかつぎ、といった和風ですが、
意外とコロッケやグラタンなんかもいけますよ。
じゃがいもの代わりにサトイモでポテトサラダとかね。
蒸してからつぶして、ねり梅をまぜて和風に仕上げるとあっさりしてイケます。
小さく切ってサトイモご飯もいいですね。

この冬はちょっとサトイモのレパートリーを増やしてみましょう!

サトイモは乾燥を嫌いますので、泥のついたまま新聞紙などにくるんで
暗いところに保存しましょうね。
冷蔵庫に入れる必要はありません。
あくを除き、色白にゆでるには、米のとぎ汁に少し酢を入れてゆでるといいそうです。

では、次回はフグをとりあげます。
高級品ですが、最近は養殖ものもありますし、昔よりは手が届くようになってきた
でしょうか。
どうぞお楽しみに!



PAGE TOP




MENU

CONTACT
HOME