冬の味覚-みかん(20100204)
2010-02-09
こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
節分も終わりいよいよ今日は立春です。
なんだか、少し嬉しいですね(^^)
今日はみかんを取り上げてみましょう。
ちょっと時期ハズレになってきています。
この冬もたくさんみかんのお世話になったでしょうか?
「こたつにみかん」は日本の冬の風物詩ですね。
普通に「みかん」と私たちが呼んでいる果物は、ウンシュウミカンのこと。
原産地はインド東北部だそうですが、中国でも古くから栽培されていました。
日本では、15,6世紀頃に有田(現在の和歌山県)に移植されてから広まりました。
現在でも、和歌山、愛媛、静岡がみかんの産地として超有名です。
昨今はさまざまな種類のかんきつ類が出回り、
1980年代にはアメリカのオレンジも輸入が自由化され、みかん栽培は危機に。
現在は海外への輸出が盛んになってきたようです。
ニッポンのみかんも世界へ羽ばたいています。
皮をむくのが簡単で、お値段も手ごろ、甘くておいしい、ということで
人気の高いフルーツです。
漢方では甘い実よりも皮のほうが使われます。
まだ青い果皮は「青皮」、熟した果皮は「陳皮」です。
よく知られていることですが、みかんはビタミンCが豊富。
2~3個食べれば1日の必要量を満たしてくれるほどです。
ただし、1度にたくさん食べてもすぐに排出されてしまうので
余り意味はありません。
どうせなら3回に分けて食べるとか、みかんに頼らず、
さまざまな食品からビタミンを摂るようにしたほうがいいですね。
ビタミンCは風邪の予防や抗酸化作用、抗老化作用、疲労解消、
毛細血管を丈夫にする働きなどがあります。
とくに果肉の袋や白い筋の部分にはヘスペリジンという成分があり、
これが毛細血管の強化や血圧降下、中性脂肪を減らす働きがあるので、
ぜひ余りキレイに剥かずに一緒に食べましょうね。
プロビタミンAの化合物、ベータ・クリプトキサンチンという成分は
強い抗ガン作用があるそうです。
これはみかん色の素、オレンジ色の色素なんですが、
ベータ・カロチンの5倍も抗ガン作用だそうです。
脂肪肝の予防にも役立つそうです。
みかんをたくさん食べ過ぎると皮膚が黄色くなりますが、
これは同じくオレンジ色の色素のカロテノイドの仕業です。
別に病気ではありませんよ。
他にも血管壁を丈夫にするビタミンP、腸内の環境をよくする食物繊維、
そしてシネフィリンという物質などが含まれています。
シネフィリンはウンシュウミカン独特の成分で、風邪予防に非常に有効です。
それでは漢方的に見ていきましょう。
性質は微温性、潤、昇作用があります。
臓腑では肺、脾に入ります。
東洋医学的な効能としては、
開胃、食欲増進。
止渇潤肺、のどの渇きを解消し、肺の粘膜を潤します。
果物のなかでは温性になるので、熱っぽい方には向きません。
のぼせやすい方、高血圧の方は控えめにしましょう。
最近のみかんは糖度がかなり高いので、食べ過ぎると
痰が生じやすくなったり、むくみになったりすることがあります。
もともと食べすぎの方も気をつけましょう。
また、セキが出るときはやめておいたほうがいいでしょう。
それ以外は、どんな方でも大丈夫です。
上のほうでも書きましたが、漢方では皮のほうが大事。
無農薬のみかんが手に入ったら、ぜひ皮を干して、手づくりしてみましょう。
日干しして赤茶色になった皮は陳皮といって、胃腸の働きを助け、
気のめぐりをよくします。
痰が多い人にはいいのです。
煮出してお茶代わりに飲むといいですよ。
まだ熟してないみかんの皮は青皮で、とくに肝臓によく効きます。
ストレスのたまっている人なんかいいでしょうね。
こちらも痰や食べすぎの消化不良に効きます。
生食するのが普通ですが、焼きみかんというのもあります。
甘味が際立つのではないでしょうか。
他に、懐かしい冷凍みかんとか、みかん缶とか、いろいろありますが、
やっぱりコタツにミカンでしょうか・・・。
ダンボール買いすると飽きてしまうこともありますので、
果汁をしぼってジュースにするとか、デザートに使うというのもいいですね。
野菜ジュースに入れると甘くておいしくなります。
自然の甘味ですからね。
それでも食べすぎにはご注意を!!
では、次回は豚肉をとりあげます。
漢方では腎臓によいとされる豚です。
どうぞお楽しみに!