【不妊カウンセリング】高齢ならではのお悩み(20130404)
2013-04-07
こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
関西は桜が満開です。
春爛漫ですね♪
青空の下満開の桜のなかを歩くと
しみじみと「日本に生まれてよかった~」と思うのです。
これで花粉さえ飛んでなければ・・・って贅沢な望みでしょうか(^_^;)
季節はこれから一気に夏に向かい、来月にはもう半袖ですよね。
暦のうえでは立夏から夏ですから、GW明け頃からもう夏ですね!
さて、今日は近年とみに増加中の高齢不妊の方々のお悩みに
焦点を当ててみたいと思います。
5年以上前であれば、40代の方が来院されるとまだ驚いていましたが、
昨今はまったく”普通”になっています。
以前不妊治療専門治療院ではお会いすることがなかった
45歳超のゲストも年々増えてきています。
さすがに50代の方には驚いていますが、これも5年後には
“普通”になっているのでしょうか?!
【卵子の老化】の情報が広まり、多くの方が危機感を抱いて
いらっしゃいます。
「もっと若いときから教えてほしかった」という切実な声を
よくお聞きしますね。
確かに、学生の頃は【女性の身体のしくみ】よりも【避妊】に
力を入れた性教育だったように覚えています。
幼い頃から男子と同等に受験して高等教育を受け、就職活動を経て
男女雇用均等法の下、体力のある男性でもたいへんな仕事をこなして
ストレスをいっぱい抱えながらキャリアを積んできた女性たち。
女性の婚姻年齢は上がり続け、それに伴い第一子の出産年齢も
高くなっています。
初産年齢はもう30歳を越えているのですから、
かつてのマル高年齢です。
なかには結婚後も仕事優先で、子どもを持つことが先送りされる
ケースも多いでしょう。
教育が不十分なため、女性自身が「生理があればいつでも子どもは
産める」と考えていることが多いからです。
けれども、女性の妊孕性は35歳を超えるとガタッと落ちてしまうのです。
20代の半分と言われるほどなのです。
後悔しても年齢をさかのぼることはできないので、
“今、これからできること”を考えていかないといけないのですね。
また、高齢妊娠・出産につきまとうリスクについても
しっかり勉強する必要があります。
医療の発展で、高度生殖医療(ART)を受ければ
妊娠する”可能性”はどんどん上がっていますが、
本来の目的は妊娠することだけではありませんから。
赤ちゃんを産んで、育てる将来像が忘れられがちなのです。
ただ、ARTに挑戦する過程で、高齢のために
何度も失敗を繰り返していると、とにかく【妊娠】が
第一目標になってしまいがちです。
ここが危険なところではないかと思っています。
もともと、子どもを産み育て、明るい家庭をつくりたい
という夢があったと思うのです。
それが、なぜか【陽性反応】を目指す、とにかく【採卵】!
とにかく【胚盤胞】を! という流れに変わってきてしまうのです。
確かに1つずつステップを上がっていかないといけないのですが、
やっと【妊娠】までこぎつけたとき、「その先を考えてなかった」
という方が出てくるのです。
治療も何年か越しですので、年齢も相当上がっており、
「この歳で無事出産できるのだろうか?」
「これから子育てしていけるのだろうか?」
と、非常に不安になってしまわれる方がいらっしゃいます。
高齢妊娠の場合、妊娠高血圧やその他疾患のリスクや
流産や早産のリスクも大幅に高まっています。
いわゆる【ハイリスク】妊婦になります。
ご自身の体力的な衰えを実感されることや、
両親も年齢的に孫の世話はきつくなって頼れないこともあります。
なかには老人介護と子育て、そして自分自身の更年期も重なり、
かなり厳しい条件となることも考えられるのです。
そして、次の段階は出生前診断です。
この検査は高齢であれば受診できることになっています。
ただ、これは気軽に受けれる検査ではありませんね。
受診する前段階で、よくよく考え、ご夫婦でしっかりと
話し合っていただかなければなりません。
検査を受けない選択をされるとしても、やはり覚悟は必要です。
なんとしてでも子どもを授かりたいという思いで
これまで治療にまい進してきたものの、
もし子どもが重い病気を持って生まれてきたら?
と考えると躊躇される方は多いのです。
年齢が若かったり一般的にも避けては通れない問題ですが、
高齢のカップルであれば、遺伝子異常が発生しやくくなります。
そして、近い老後に世話をできなくなることが想定されますので、
悩みは深いのですね。
さまざまなリスクに目をつぶらず、冷静に検討して
覚悟を決める必要はあるのではないでしょうか。
出生前診断が「命の選択」の手段になってしまうことを懸念します。
できれば産科医の大野明子先生の著書を読んでいただければ
と思います。
『子どもを選ばないことを選ぶ
~いのちの現場から出生前診断を問う』
大野明子編著、メディカ出版
いっぽう、危険性にばかり焦点を当てるのも疑問です。
社会人として経験を重ねたカップルであれば、
人格的にも経済的にも余裕があり、それが子育てに吉となることも
多いのです。
そして、高齢の両親をもつ子どもは言語の発達がよく、
怪我などのために入院することが少ないというデータもあります。
両親に頼ることはできなくても、これまで培ってきた人間関係で
周囲に子育てを手伝ってもらえるというメリットもあるようです。
ママ友ができず孤立しがちになるのでは? という不安もありますが、
高齢出産が増えているため、幼稚園や学校でも
意外と同世代のママがいて安心した、という声も聞きます。
また、悩み抜いた末にやっぱり子どもがほしいという結論に達し、
治療の甲斐あって授かったときの喜びは何ものにも替えられません。
通常、加齢とともに気力や体力を失ってきたりしがちですが、
「この子のため」に生きる力も湧いてくるというものです。
子どもは「授かる」ものです。
自分の理想通りに「作る」ものではありませんね。
どんな子が来てくれるかわかりませんが、
ご夫婦を選んで舞い降りてきてくれる赤ちゃんに、
たっぷりの愛情を注いで育んでいただけたらと願っています。
そんな情熱あふれるご夫婦をこれからも支援していきたいです。
次回は岡井先生の担当です。
どうぞお楽しみに!!