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【経絡ヨガ】春は立木のポーズ(20110407)

2011-04-08 [記事URL]

みなさん、こんにちは。 鍼灸師の石原幸です。
4月になりようやく桜の開花が各地でみられるようになりました。

このたびの東日本大震災で犠牲になった多くの方々のご冥福をお祈りいたします。
遠く離れた関西からではありますが復興に向けエールを送り、
日本を元気にしていく笑顔の一員でありたいと思っています。

これからは春本番、あたたかな日差しと新緑の息吹を感じに外に出て
元気に活動しましょう!

春は自然界では気温がぐんぐん上がり、木々が伸びていく季節です。
実は私たちの体内でも季節と連動して、同じように陽気が上昇しやすくなり、
その影響によりさまざまな体調変化が起こりやすくなっています。

特に影響を受けやすいのが肝の臓気。
情緒活動や自律神経のコントロールに関わるところです。
ここに変調をきたしてしまうと頭痛、目の充血、のぼせ、肌荒れ、イライラや
不眠の症状が出やすくなったりします。
連日の悲しいニュースの影響でうつうつと過ごすことも多く、
余計に自律神経を失調しやすくなっている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は春の季節にピッタリの”木”を象ったヨガのポーズを
ご紹介したいと思います。

中国古代の理論である「五行」の考えをご存知でしょうか?
森羅万象あらゆるものを「木・火・土・金・水」の5つの要素に当てはめて
考える理論のことです。
東洋医学では人間の身体(五臓六腑)をもこの考えに当てはめて
病気の治療に活かしています。

「木・火・土・金・水」にはそれぞれ意味するものがあり、
「木」は春の象徴で草木が伸びゆく様子を表しているのです。

そこでこの時期に「木」のポーズをとって気を上手く流すことが、諸症状の緩和、
イライラ防止などに役立つのです。
とても簡単なのでぜひチャレンジしてみてください!

<木のエネルギーを流す立木のポーズ>
1・両足を肩幅に開きしっかりと床を踏みしめます。
2・手を胸の前で合掌します。
3・片足立ちをします。浮かせた足の足裏をもう片方の脚の内側につけます。
  ※足を付ける位置はどこでもかまいません。
4・ゆっくりと両手を上に挙げ、バランスをとります。
5・ゆっくりと呼吸を10回ほど繰り返し、逆の足でも行います。

いかがでしたか?
大地に根を張り、天に向かって枝葉が伸びゆく樹木をイメージして、
ゆったりした気持ちで取り組んでみてくださいね。

それでは次回は近藤琉水先生がお送りします。
どうぞお楽しみに!


【FAQ】その3(20110324)

2011-03-28 [記事URL]

こんにちは はりきゅう師の近藤 琉水です。
このたびの地震、津波によってお亡くなりになられた方々のご冥福を祈ります。
大切な人を失い、すべての財産や思い出の品々をなくされた方々のお心を思うと、
ほんとうに言葉がみつかりません。
被災地から遠く離れた関西でもできることを探してやっていくしかありません。
前へ、前へ。

はりきゅう師としてできること。
未妊治療を続けておられるみなさんに、これまで通りお役に立てる情報を
お届けしていきます。
本日は、みなさんからよくいただくご質問に答えるシリーズです。
今回はどちらかというとなかなか口に出せないけど、とっても気になる疑問を
取り上げます。

本日のQuestionはこちらです。
「不妊治療のやめどきは?」

これ、かなり重たいテーマですよね。
しかしこれも現実なんです。
できればそんなことを考えることなく、お子さんを授かるのが理想的。
ただ、こればっかりは100%実現するわけではないというのが現実です。

当院にも、「体外受精を10回以上やりました」という方や、
なかには「もう10年以上がんばってきました」という方もお越しになります。

年齢的にもタイムリミットが迫り、心身ともに、そして経済的な負担で崖っぷち。
ストレスから、さらに体調も悪化し、卵も育たなくなって・・・

身動きが取れなくなって、東洋医学に救いを求めて来院される方も
実際にいらっしゃるのです。

長期間のホルモン治療で身体の変化が著しく、度重なる落胆とストレスで
心もボロボロになって、お話をされながら涙が止まらなくなる方も多いのです。
そんな方は、頭のなかは常に不妊治療のことでいっぱいいっぱい。
他のことを考える余裕はなく、かなり思いつめていらっしゃいます。

この手でわが子を抱きたい。
愛するパートナーに赤ちゃんを抱かせてあげたい。
両親に孫の顔を見せてあげたい。
子育てして幸せな家庭を築きたい。

そんな願いがなかなか叶わず、辛い毎日を過ごされている方々の胸のうち、
ほんとうに痛々しく、なんとか夢を叶えていただきたい、
お力になりたい、と強く強く願うのです。

そうした方が念願かなって妊娠されたときは、大きな喜びとともに
私たちも安堵します。
キラキラ輝く笑顔やうれし涙を拝見するのは、鍼灸師冥利に尽きます。

でも、こんなに苦しまなくてもよかったのでは?
という思いも消すことができません。

東洋医学的には、女性の妊娠出産可能な年齢はギリギリ49歳、
とされています。
私たちの祖母くらいの年代では、10人も出産する女性は普通にあり、
きょうだいの一番上と下では20歳以上の開きがあることも。
そうすると、49歳で出産というのも十分ありえるのかな、と思います。

現代では、野田聖子さんが代表されるように、高度生殖医療の発展で
50歳でも第1子の出産は可能となっています。
野田さんは子どもを産みたい女性に勇気を与えてくれましたね。

それでも、いつまでがんばるのか、というのは依然として残る課題です。
ひとりひとりお身体の状態も違うし、周辺の事情や経済的状況も
違っているので、一律に何歳までと年齢で切るのには無理があります。

ですので、なるべく早い段階で、
できたら不妊治療を始めるくらいの段階で、
いつまでがんばる、という期限をご夫婦で決められることを
お勧めしています。

ご自身の条件をよく把握していただいたうえで、
何歳まで、あるいは、例えば体外受精だったら何回まで、
といった形でリミットを設けていただいてはどうかと思います。

そして、その後のご自身とパートナーの方とのお二人の人生にも
勇気をもって目を向けていただきたいのです。
お二人の関係が将来ずっと幸せであることが基本だからです。
お子さんがいなければ不幸になるとか、壊れてしまう関係はどうでしょう?

これはすべてのカップルに共通して言えることですが、
まずはお二人が幸せになることが第一ですね。
そこにお二人のお子さんが来てくれれば、尚すばらしい。

男性では、たとえ授からなくても、二人で仲良くやっていければいい、
という方が意外と多いのです。
いっぽう、女性のほうが「なにがなんでも」という方が多いのですね。

その肩に入りすぎた力が、子宝を遠ざけているかもしれないのです。

ちょっと力を抜いて、お二人の幸せのあり方をイメージしてみましょう。

世の中には、お子さんはいないけど、とっても仲良しで幸せなカップルが
たくさんあります。
子どもがいなければ不幸と考えるのは、そんな方々に失礼かもしれません。

ずっと幸せに生きていける夫婦だからこそ、赤ちゃんが来てくれたら
もっともっと幸せになるな~って思えたら、
ぜひ治療にまい進してください。

いつまでと決めた期限まで、ご自身のペースで精一杯トライしましょう。
私たちもそのお手伝いをさせていただきます。
一緒にがんばらせてください。

でも、万が一期限までにお子さんを授からなかったとしても、
あなたの、そしてご夫婦の幸福を一番に考えたいです。
私たちはお子さんを授かっても授からなくても、ご夫婦が幸せであることを
究極の目標としています。
だからこそ、あなたに身体を壊すほど無理矢理なことはしてほしくないですし、
常に心の状態を良好に保つことを重視しています。
心身が安定した状態のほうが妊娠しやすいということを知っているからです。
妊活はできるだけ明るい気持ちで、軽やかに、がいいんです。

「いつまで?」ということを真剣に考えることは、前向きな妊活に必須だと
思っています。

何度も流産を繰り返し、ここまで来たら「次こそは!」との一心で
立ち止まることも引き返すこともできなくなってしまっている方を
何人も見てきました。
高額な不妊治療のために貯金も使い果たし、ご両親から借金をされる方
だっていらっしゃいます。
そうした切羽詰った心理状態のなかでよい結果を出していくのは至難の業です。
心身ともにボロボロの状況に突入する前に安全策を講じておくのは、
あなたの人生設計にとって大事なことではないでしょうか。

ぜひとも、ご夫婦でよく話し合ってみてくださいね。

赤ちゃんは授かりものです。
無理矢理つくるものではないのですね。
であれば、赤ちゃんが来やすい環境を整えるために、
どんな心構えが必要なのか、どんなことをすればいいのか、
“赤ちゃんの立場に立って”考えてみてはどうでしょう。
赤ちゃんにも赤ちゃんの都合というものがあるのですって。
「早くきてほしい」というのはコチラの都合の押し付けなんですよね。

というわけで、今日はかなりヘビーな内容となってしまいました。
でも、避けて通るより、クリヤしていってほしい壁です。
かならずレベルアップできますから!

これから治療をスタートされる方、今まさにがんばっておられる方、
これを機にご夫婦で考えるきっかけとなるといいなと思います。

次回は石原幸先生の経絡ヨガです。
それでは、みんなで力をあわせて、乗り越えていきましょうね!


【経絡ヨガ】小腸/大腸経のポーズで快便を目指そう

2011-03-11 [記事URL]

みなさん、こんにちは! 鍼灸師の石原です。

3月も半ばになり、徐々に春めいた日が増えてきましたね。
寒暖の差の激しさを増すこの時期は、着る物にも困り体調管理も一苦労です。
年度末でお忙しくされている方も多いですから、
十分な睡眠とたっぷりの栄養をとって健康を維持していきましょう!

体調をひとたび崩してしまうと、便秘や下痢をしやすいという方はとても多いですね。
原因はさまざまで、腎臓の弱りをはじめ、各五臓六腑に原因は潜んでいます。
東洋医学ではそれらの原因を探り、身体のバランスを取り戻すことによって
症状を改善していきます。
むやみに即効性だけを求め、薬に頼りきっては身体の「声」を聞き逃してしまい、
いつまでたっても改善ができない可能性もあります。
弱りを改善して本来のバランスを取り戻すことが根本的な解決法であり、
そうやって体質向上させていくことが妊娠力のアップにも繋がるのです。

そして予防も大切。
「未病」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、
「予防医学」としても歴史のある東洋医学の考えを取り入れていくことで、
便秘や下痢などの困った症状を防いでいきましょう。

今日はそんな排便困難を助ける経絡ヨガのポーズのうち、
小腸・大腸の経絡に着目したポーズをご紹介します。

ともに消化機能の一部であり、排泄に深く関係するところです。
小腸は胃から来た食物を水分と固体に分けるところ。
大腸は主に固体になった飲食物のカスを伝導します。
これらに関わる経絡の気が滞ってしまうと、当然排便にも異常をきたしてしまう
わけです。

では経絡について詳しく見ていきたいと思います。
小腸経については11月にお届けした「肩こり解消・小腸経のポーズ」をご覧ください。
⇒ http://www.funinchiryou.net/mag2/20101111.html

大腸経は手の人差し指の先からはじまり→手の甲の親指との間→腕の内側→肩の前側
→首→鼻翼の付近 を通ります。
ここが滞ると便秘や下痢の他、肩や腕の痛み、喉の腫れ痛み、歯の痛みや鼻づまりや
鼻血などに繋がることもあります。

<快便を目指す 小腸・大腸経のポーズ>

1・背筋を伸ばして座ります。正座または立て膝、椅子に座ってもOK
  ※この時、腰がそり過ぎないようにしましょう。

2・両肩はリラックスした状態で・・・
  右手は上から、左手は下から背中に回し指を引っ掛けます。
  ※届かない人はタオルなどを使います。

3・右肘を斜め上へ、左肘を斜め下へ伸ばし肩を広げましょう。
  呼吸をしながらキープ。充分に腕の内、外が伸びたら反対側も。
  それぞれ10~20呼吸ほどキープします。

画像での説明はコチラです→http://www.youtube.com/watch?v=7OctqKdqz0E

いかがでしたか?
肩の柔軟性の他に、骨格にも個人差がありますから、両手が届かないからといって
落ち込むことはありませんよ!
指が届かない人はその場でできるだけ伸ばし、手首を握れる人は十分に伸ばせる
ところまでポーズを深めましょう。

次回は近藤琉水先生がお届けします。
お楽しみに!!


【食養生】小麦(しょうばく)と小麦粉(20110224)

2011-02-25 [記事URL]

こんにちは! はりきゅう師の近藤 琉水です(^^)
春の陽気に誘われてお散歩に出かけたくなりますね。
急にあたたかくなって嬉しい限りですが、花粉症持ちの方にとっては
辛い季節となりました。

今日は食養生についてのお話です。

今回は季節感には欠けてしまいますが、一年中常食されている小麦を取りあげてみます。

小麦は漢方生薬の1つでもあり、「しょうばく」と読みます。

漢方薬に使われる「しょうばく」と、我々が毎日口にするパンや麺類の原料の小麦粉とは
別物と考えてもらったほうがいいかもしれませんね。

小麦は世界の3大穀物の一つ。(あと2つは米とトウモロコシ)
世界で最も多く生産されています。
イネ科の一年草、原産はイランやイラクあたりと言われています。
比較的乾燥した涼しい気候が栽培には適しています。
高温湿潤なところには余り向きません。

漢方生薬としては粒のまま用いられますが、食用としては脱穀して製粉された
ものを使います。
外皮が硬く、中の胚乳はとてももろいので、米のように粒のまま食べるには適さず、
粉にして利用するのです。

ただ、漢方的には小麦自体は無毒ながら、粉にすると小毒とされています。
多く摂り過ぎると毒になりますよ、ということですね。

では、生薬としての小麦(しょうばく)を見てみましょう。
性質は微寒、微温という説もあります。
臓腑は胃、腸、肝、心に入ります。
五味は甘味。

東洋医学的な効能としては、
補益五臓、五臓の機能を高めます。
厚胃腸、胃腸を丈夫にします。
散血止痛、うっ血を改善し、痛みを緩和します。
止吐血鼻血、鼻血や吐血を止めます。

漢方薬として用いられる場合は、のどの乾きを止め、汗をとめ、利尿する作用が
あります。
不正出血を止めるはたらきもあり、それが原因となっている不妊に効果的です。

小麦を使った代表的な処方に甘麦大棗湯がありますね。
子どもの夜泣きにすぐれた効果があることで有名です。

というわけで、なんだかイイじゃない? という雰囲気が漂いだしましたが、
ちょっと待って!
昔書かれた漢方薬の教科書には、決して挽いたり砕いたりせず、
粒のまま用いるように、と注意書きがあります。
つまり、小麦の丸粒に含まれる”ふすま”や胚芽の部分などを取り除いて
粉末にしたら上記のような働きはなくなってしまうということです。

ふすまや胚芽は涼性で、胃腸を丈夫にして消化吸収を促し、
下痢を止める作用もあります。
これはビタミンB1の働きによるところが大きいです。
VB1が不足すると老廃物が蓄積されて疲れやすく、むくみや動悸、
息切れ、イライラなどの精神症状も起こりやすくなります。
糖尿病治療にも役立つそうですね。

ですのでそういった部分を除去して精製しすぎた小麦粉を摂り過ぎると、
皮膚の乾燥や湿疹などのトラブル、お腹の張り、全身の倦怠感、
めまい、下血、手の震えなどもきたします。

小麦粉は温性ですので、食べ過ぎるとさまざまな症状を引き起こします。
花粉症やアトピーなどのアレルギー症状、身体のどこかに炎症がある方は
できるだけ小麦粉製品を除去していくのが賢明です。
パン食やパスタ、ラーメンなどの麺類がお好きな方、要注意ですよ。
できるだけ米飯食にしていくことが大切ですし、
どうしても小麦粉を食べるときは全粒粉を使ってください。
ただ、市販の全粒粉使用をうたっているパンも全体の5%とか10%とか
全粒粉率は非常に少ないものです。
フカフカとふくらんだおいしいパンを作ろうとするとそうなってしまうんですね。

ご自身の食生活をみなおしてみて、小麦粉製品に偏ってるな、と気づかれた方は
ぜひ米中心の内容に修正していってください。
もちろん米も精白米よりも胚芽米や玄米のほうがベターです。
余分な熱をためこまず、これから出やすいお肌のトラブルやアレルギーを予防し、
快適な春を迎えるために大事な食養生です。
がんばっていきましょう(*^^)v

それでは、また来月お会いしましょう。
次回は石原幸先生の経絡ヨガです。
お楽しみに!


【経絡ヨガ】心の落ち着きを取り戻す心包経のポーズ(20110210)

2011-02-11 [記事URL]

こんにちは 鍼灸師の石原幸です。

立春が過ぎ暦の上では春。
朝晩の気温差の激しさに加え、インフルエンザや飛び交う花粉・・・
何かと体調にこたえる日々がつづきますが、いかがお過ごしでしょうか!? 

これから暖かい季節に向けて次第に陽気が増して行くこの時期、
冬の間に溜め込んだエネルギーを徐々に発散するのが季節に適った養生法です。
ストレスを溜めずに心穏やかに過ごし、適度な運動をしましょう!

さて今回は前回の『自律神経を調える任脈と督脈のポーズ』で紹介した
ネコのポーズをアレンジして、心包経にアプローチしていくポーズをご紹介します。

心包経は胸の中心から始まります。
下ってお臍、下腹部に行くルート、上って脇の下に行くルートがあります。
脇の下からは腕の内側(柔らかい部分の中央)→手首内側の中央→
手のひらの中央→中指に至ります。

心包とは聞きなれない言葉ですが、心臓を助ける働きをしているところと
考えていただけばいいでしょう。
この経絡の流れが滞ってしまうと、心臓部が痛んだり動悸が起ったりします。
また胸のつかえや苦しさ、脇の下の腫れ、腕のしびれ、手のひらのほてりなどを
感じることもあり、精神面では不安定になりがちです。
ドキドキして落ち着きがなくなってしまったり、人知れず恐怖感に襲われたり・・・ 

焦るような出来事があり頭の中が真っ白になるなど、
うにも平常心が取り戻せない事は誰にでもある経験かもしれません。
そんな状態のときは身体を動かし、この気脈の流れを調えるのが一番です。
心身共に落ち着つきを取り戻しましょう。

<心の落ち着きを取り戻す心包経のポーズ>
1・四つん這いになりネコのポーズを取ります。
 (ネコのポーズ・詳しくはコチラ→http://www.youtube.com/watch?v=YsOXDRA8mUQ)
2・手のひらを外側に180度回転させ両方の指先が膝の方向に向くようにします。
3・ネコのポーズの要領で深く息を吐きながら背中を丸め、
  吸いながら背中を反らします。
※手首に痛みを感じる方は腰を落とし、手首にかかる負荷を軽減します。

写真での説明はコチラをご覧ください→http://www.youtube.com/watch?v=UNAZCtxkH6Q

いかがでしたか?
常に深い呼吸を意識しながら行うことで、より良い効果が得られます。

では次回は近藤琉水先生がお届けします。お楽しみに!


不妊と不摂生(20110127)

2011-01-28 [記事URL]

こんにちは! はりきゅう師の近藤 琉水です(^^)
常に寒波が居座りながらも、サッカーで盛り上がって熱い日本列島です。
北国のみなさん、毎日の雪かき・雪おろし、ほんとうにお疲れ様です。
春が待ち遠しいですねぇ。

今日のタイトルは”不”妊 と”不”摂生と、なんだかひどくマイナスイメージに
なってしまい、どうもすみません。
逆に「妊娠するために摂生すること」、普段の養生がだいじですよ、というふうに
受け取っていただければ幸いです。

生活習慣と妊娠力は関連があります。

健康であるためには規則正しい生活や清潔な環境、量質ともに適正な栄養が
大切であることは誰もが否定しないと思います。

自らの生活を省みず、仕事ばかり優先して過労状態になったり、
あるいはまったく動かずに怠惰で贅沢な暮らしを送っていれば、
やがて病魔に蝕まれるのは目に見えています。

そこまでいかないとしても、現代は”半病人”がとても増えているといえます。

いつもどこかが痛い、苦しい、しんどい、でも病院にかかるほどではないという状態。

ビタミン剤やドリンク剤を飲んだり、市販の薬を適当に服用したりして
なんとか日々をやりすごしているということが多いのではないでしょうか。

漢方ではそのような状態を”未病”といい、その段階で治療を開始するべき、
立派な治療対象だと考えます。

決して健康体ではないのです。

とくに男性に多いように見えますが、常に睡眠不足で夜遅くに大量に飲食し、
お酒やタバコがやめられず、運動も長らくやってない、という働き盛りの方の
お身体が非常に心配です。

女性もキャリアを積んでいかれる方が増え、残業や出張で心身ともに疲れている
方が大勢いらっしゃいますね。

そういった毎日を過ごされている現代女性・男性が不妊症と診断されることは
ある程度仕方ないことのように感じます。

ご自身の健康が十分維持できてなくて余裕がない状態では、生殖能力が
衰えていくのは当然だからです。

これまでも睡眠の重要性や食養生について繰り返し述べてきました。

できるだけその季節に合った生活様式や旬の食べ物を心がけ、
自然に沿った生き方をすることが東洋医学で一番お勧めしている健康法です。
特別なお薬や鍼灸よりもまずは、”毎日の養生”なんですね。

どうしても仕事のシフトや責任で就寝が遅くなったり食べる時間が取れなかったり、
ということはやむを得ない事情です。
できるだけの努力をしても尚、どうにもならない部分ってありますよね(ToT)
そういった状況のなか未妊治療をされる方は、足りない部分を漢方薬や鍼灸で補う
ということもアリだと思います。

ところが、不摂生に気づかない方、別に何の問題もないと思い込んでおられる方は、
一番難しいです。

冷えているのに気づいていらっしゃらないとか、気にせずにほったらかしの方、
こういう方は問題なのと同じですね。
“冷え”は未病の原因の代表です。

まずは現状の問題点を把握して、改善しようという気持ちが芽生えなければ
治療を受ける気は起らないでしょうし、とにかく未妊治療を開始したとしても
なかなか効果が出てこないのです。

私たち鍼灸師は、まずは患者さまのお身体を診断して、現在の状態や体質、
問題点を指摘して治療方針を立てると同時に、あなたご自身ができることを
お伝えします。
“まな板の鯉”のように身体を任せきってしまうのではなく、一緒に改善していく
という姿勢で取り組んでいきたいと考えています。

私たちも治療の際は全力であたっていますし、受けられる方もできる限り
不摂生を改め、一歩でも目標に近づけるような心の持ちようと、行動力を
お願いしたいと思います。

苦行のように頑張りすぎる必要はまったくありません。

焦らずに地道にいくのがいいのですから。

生活を健康な方向に少しずつ舵取りしていくだけです。

できるだけリラックスして、二人三脚でやっていきましょう!

それでは、次回は石原先生の経絡ヨガです。どうぞお楽しみに。


【経絡ヨガ】自律神経を調える任脈と督脈のポーズ(20110113)

2011-01-17 [記事URL]

こんにちは、鍼灸師の石原幸です。
いつもメールマガジンをご愛読いただきありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。

さて、今日は我々の携わっている東洋医学にも関わるお話から始めたいと思います。
東洋思想には「陰陽論」という考えがあり、この世の中の物事や事象はすべて陰性と
陽性に大別でき、万物はそのバランスで成り立っているとされています。
例えば夜が陰で昼が陽。女性が陰で男性が陽・・・といった具合です。

私たちの身体も同様に陰陽のバランスで成り立っていると考えます。
血が陰で気が陽、下半身が陰で上半身が陽。
相対的にさまざまな陰陽が身体の中に存在しているのです。
そしてこれらをバランスよく保つことができていれば健康な身体と言えますし、
どちらかの勢いが強すぎたり、弱すぎたりするとバランスが崩れ、
不調をきたすのです。

身体を流れる気の通り道である経絡ももちろん陰と陽に分けられます。
経絡ヨガでは陰陽の気の流れを調える事をとても大切にしていて、
さまざまなポーズからアプローチしていきます。
身体のバランスを保つことは言い換えれば「自律神経を調えること」になります。
未病や不定愁訴を感じている方はまずは身体の陰陽のバランスを意識して
調えることからはじめてみるといいですね。

有名な「ネコのポーズ」は陰の気の流れをつかさどる「任脈」と陽の気の流れを
つかさどる「督脈」にアプローチできる、とても優れたポーズです。

陰の任脈は会陰部に始まり→下腹部の真ん中→臍→前胸部の真ん中→のど→顎→
下の歯に至ります。
いっぽう、陽の督脈は尾骨の先端に始まり脊柱にそって腰の真ん中→背中の真ん中→
後頭部→頭頂部→額→鼻柱→上の歯に至ります。
つまりこの2つのルートで胴体と頭を縦にぐるっと1周しているわけです。

ちなみに任脈の気が滞れば泌尿器や生殖器の不調、胃腸の障害などを引き起こす
可能性があります。
督脈の気が滞れば背骨がこわばったり頭痛、胃腸・婦人科器系の疾患、
むくみや尿もれなどの症状が見られるようになる場合もあります。

<自律神経を調えるネコのポーズ>
1・四つん這いになり背中を平らに保ちます。
 手と足は肩幅くらいに広げ、肩の下に手のひら、脚の付け根の下に膝が
  くるようにします。

2・息を吐きながらゆっくりと背中を丸め、頭を垂れます。
  視線は自分のお臍を見ます。
 お臍を天井方向に引き上げます。
 背中を通る督脈がじんわりと伸びていくのを感じてくだい。

3・息を吐きながら体幹を反らし視線を上に向けます。
 身体の前面の任脈が伸びていくのを感じてください。
 2と3を10回ほど繰り返します。

写真での解説はコチラです

いかがでしたか?
陰陽のバランスを調えることで昼・夜の交感神経と副交感神経の切り替えが
うまくできるようになり、日中は活動的に過ごし、夜は深い眠りにつくことが
できるようになります。
是非続けてみてくださいね。

それでは次回は近藤琉水先生がお送りいたします。どうぞお楽しみに!


FAQ-その2

2010-12-31 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤 琉水です(^^)
いよいよ、今年もあと2日。
大掃除の追い込みに、おせちの準備に大忙しですね。
ちょっと一息入れて、メルマガでも読んで休憩してくださいね~!

今月も治療院でよくいただくご質問にお答えするコーナーがやってきました。

最近人気の馬場聖鍼堂キャストによるブログ記事の紹介コーナーもありますので、
ぜひみなさんの未妊ライフにお役立てくださいね。

━─━─━─━─━─

Q.鍼灸院は不妊治療専門の治療院のほうがいいのですか?

A.はい、そうですね! でも必ずしもそうではありません。なぜかというと・・・

「専門」となると、やはりその専門性を求めて来院される患者さまがほとんどですので、
施術者は日々経験を積み続けて、より専門性を高めています。
専門知識も重点的に勉強していますので、女性・男性の生殖機能についてはもちろん
のこと、不妊専門クリニックでの高度生殖医療についても詳しいです。
どのような治療の段階の方にも対応できますし、多岐に渡る症例からさまざまな
アドバイスも可能です。

当院でよくお聞きするのは、「クリニックでは時間がなくて全然相談はできないけれど
ここではじっくり自分の身体について相談できるし、話をきいてもらえる」
ということです。
お身体のことや精神的な葛藤など、たくさんのお悩みを抱えていらっしゃる方でも
少しでも理解を深め、納得して前進していただけるようにカウンセリングを行なっています。
西洋医学的な解説はとても納得していただきやすいですし、また、
私たちの本領ともいえる東洋医学的な診断法を駆使して別な視点をお示しすることも
安心や納得につながるようです。
専門知識と独自の治療技術によってあなたの夢を叶えるお手伝いをするのが
不妊専門の鍼灸治療院です。

全国的に不妊専門の鍼灸治療院が増えてきています。
それでも、東京、名古屋、大阪、といった都市部が中心です。
地方ではまだまだ稀なのが現実ですね。
当院にも、地方からまる一日や二日がかりで来院されている方々がいらっしゃいます。
それでも通院できる方はいいのですが、どうしても難しい方は全国にいらっしゃいますね。
そういう方は諦めるのではなく、お近くで「鍼灸院」を探してほしいのです。
たとえ「不妊専門」ではなくても、純粋な東洋医学の理論に基づいて治療をされている
鍼灸院をみつけてください。

最初から専門知識は期待できないかもしれませんが、あなたのために情報を集め、
一生懸命対応してくれる良心的な鍼灸院があるはずです。
もともと東洋医学は「全科もの」です。肩こり腰痛だけでなく、内臓疾患や内分泌系も
得意分野なのです。
歯痛や風邪の治療だってやりますから!
もっとも、脈診など、しっかり東洋医学的な診断をして診立てたうえで治療をするのが
前提です。
なかにはスポーツ鍼灸など、西洋医学的な鍼もありますからね。
ですが、「不妊専門」でなければ治療できないということはないのです。

鍼灸院をみつけたら、お電話か、直接来院していろいろと話をきいてください。
見分け方は、脈診や腹診などの東洋医学的診断をされたうえで
「証」を立ててはりきゅう治療をされているかどうかです。
であれば、治療を続ければきっとあなたのお身体はよいほうに向かいます。
東洋医学はあなたにもともと備わった自然治癒力を高め、生命力をつける治療だからです。
自然治癒力があれば、あなたの妊娠力は必ずアップします。

そうそう、あまりに高価なサプリやグッズを強く勧めるところは
あなたが納得できないのであれば、おすすめいたしませんね。

━─━─━─━─━─

Q.鍼灸師だったら誰でも同じですか?

A.いいえ、そんなことはありません!

同じ「はり師・きゅう師」という免許をもった有資格者でも、やはり個性はあります(^^)
技術力や流派の違いもありますが、鍼灸師である前に人間ですから、
パーソナリティがそれぞれ違うのは当然のことですね。
巷に治療院がますます増えて多くの鍼灸師がいるなかで、担当鍼灸師を選ぶにあたり
あなたに重視してほしいことがありますよ。

治療を始めるときは、治療内容だけでなく、必ず信頼できる人物かどうかを確認して
ください。
評判よりもそっちのほうが大切だと思います。
ちゃんと話をきいてくれるか、わかるように話をしてくれるか、確かめてくださいね。
それから最後は”相性”です。

前回の質問コーナーでもお話しましたように、鍼灸治療は1回や2回では効果が
出にくいものです。
しばらく継続することが大切です。
ですので、やはり相性がいい施術者がいいですね。
大きな鍼灸院だと複数の鍼灸師がいますので、たとえ院長でなくとも、
ご自分のことを親身になって支えてくれる人を選んでくださいね。

もし、話が通じにくいなぁとか、居心地が悪いなぁと感じることがあれば、
担当を替えてもらうとか、別の鍼灸院を探すのもOKですよ。

最初に相性のいい鍼灸師に出会えれば超ラッキーですが、
そうでなくとも、諦めずに東洋医学の力を借りれるように探しなおしてくださいね。
よい出会いがあることを祈ります。

━─━─━─━─━─

それでは、おすすめブログ記事を紹介させていただきます。

「どこでもできるリラックス法」
慌しい年の瀬、なんとかイライラせずに過ごしたいものです!

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今日が今年最後のメルマガ配信となります。
一年間お読みいただき、ありがとうございました m(__)m
来年からは配信のスケジュールが変更になり、隔週発行となります。
ちょっと間が開きますが、これからも継続していきますので、ゆっくりお待ちください。

では、今日はこのへんで失礼します。
どうぞよいお年をお迎えください。
次回は石原幸先生の経絡ヨガです。
どうぞお楽しみに!


健康食の代表-とうふ(20101223)

2010-12-24 [記事URL]

こんにちは! はりきゅう師の近藤 琉水です(^^)
メリークリスマス!!
今日は祝日ですし、お出かけやパーティで楽しんでいらっしゃる方も多いでしょうね!
気温のアップダウンが激しいですが、体調維持に気をつけてくださいね。

さて、今日は健康食品、長寿食の代表ともいわれるお豆腐を取り上げてみましょう。
原料の大豆は豆乳のところで過去にも記事がありますので、よろしければご覧になってくださいね。

http://www.funinchiryou.net/mag2/20080724.html

和食のイメージが強い豆腐ですが、生まれは紀元前2世紀の中国、その後奈良時代(710年~)
になって日本に伝わったといわれています。
もっとも、庶民の食べ物となったのは江戸時代に入ってからのことです。
古くからアジアでは広範囲に食べられており、韓国、台湾、ベトナム、カンボジア、タイ、
ミャンマー、インドネシアなどでも日常食となっています。
各地域で独特の発展を遂げているようで、ひと言で豆腐といっても、姿かたちや味はさまざまです。
日本でも、その気候や風土、水、日本人の気質によって独自の発展をしてきました。
木綿や絹ごしのほか、加工食品として焼き豆腐、油揚げ、厚揚げ、高野豆腐、おから、など、
そして厳密には豆腐とは原料が違ってきますが、ゴマ豆腐や卵豆腐などといった
バラエティ豊かな「豆腐」にも変身してきました。

水につけた大豆をすりつぶした豆汁を呉といいいますが、この呉をしぼったものが豆乳
(その滓が「おから」ですね)、そしてその豆乳に”にがり”を加えて固めたものが豆腐です。
畑の肉と呼ばれる大豆のたんぱく質が豊富なうえ、大豆として食べるよりも消化吸収がよいのです。
実は大豆はあまり消化によくない食べ物なんですが、豆腐になると92~98%も消化吸収されると
いうことです。
というのも、大豆の皮や胚芽部分などの繊維質が「おから」として取り除かれているためです。
元気なときはもちろん、ちょっと体調を崩しているときにも安心して食べれる食品です。
元気な方は、おからも食べるとよりいいですね!
食物繊維は便通をよくし、肥満を予防する働きがありますよ。

豆腐の栄養成分を見てみると、やはり際立っているのがたんぱく質。
木綿豆腐1丁で卵3.5個分、若鶏皮付きもも肉1/2枚分、豚肉ソテー用1枚分、ですって。
お肉類もたんぱく質は豊富ですが、コレステロールもけっこう多いのが難点ですね。
ところが、豆腐に含まれるたんぱく質には血液中のコレステロール値を下げる働きがあり、
血圧上昇を抑制するといわれています。
また、意外にも豆腐には脂質がけっこう多いのですが、そのなかでも多く含まれるリノール酸は
善玉コレステロールを増やしてくれる、成人病予防になる身体に良い脂質です。
高血圧、動脈硬化を防ぎ、脳出血や心筋梗塞、狭心症などの予防に効果が高い食品と
いえますね!

それでは、漢方的に見ていきましょう。
性質は平、つまり寒熱の偏りはありません。
収れん、渋作用があります。
五臓では脾胃、腎に入ります。
五味では甘味なんですね。

東洋医学的な効能としては、
清熱潤燥、つまり体内の余分な熱をさまし、臓腑を潤します。
生津、津液つまり唾液などの分泌を促し、乾きをいやします。
他にも解毒作用もありますよ。

体質的にも万人向きで、とくに普段から食べすぎで消化不良の方、気血のめぐりが悪い方に
よいでしょう。

豆腐は味が淡白なので広範な料理に合う特質があります。
冷奴などの生食、和える、煮る、焼く、蒸す、炒める、揚げる、これからの季節は鍋にも、
応用範囲が広いです。
和食以外でも、中華や韓国料理、洋風料理にも使えますね。

ところで、豆腐にとって凝固剤は欠かすことのできない添加物です。
いわゆる”にがり”とは塩化マグネシウムのことですが、硫酸カルシウムやグルコノデルタラクトン、
塩化カルシウムなども豆腐の種類や用途によって使い分けられています。
にがりとは、海水から塩を採った残りからできるのですが、大豆の甘味を引き出す利点もあり、
近年の自然指向で人気が出てきています。
硫酸カルシウムは化学的に合成されているものがほとんどですが、舌ざわりがよい、
滑らかな豆腐ができるという利点があります。
グルコノデルタラクトンというのはでん粉を原料としており、凝固速度が遅いので機械による
製造に向いているそうです。
塩化カルシウムは凝固力が強く、油揚げや凍り豆腐用の豆腐に使われています。

日常の食卓に欠かすことのできない豆腐。
栄養価や働きを知ることでもっと身近に、もっと親しみを感じていただければと願っています。

それでは、次回はQ&Aをお届けいたします。
どうぞお楽しみに!


不妊と体重管理(20101216)

2010-12-18 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤 琉水です(^^)
寒くなりましたね。
そろそろ年末の大掃除のことも気になりだしました。
さぁ、今年はどこからいきますか?!

今日は肥満や痩せすぎが不妊にどう影響するのかについてお話していきましょう。

ご自分の身長の標準体重をかなり上回ったり下回ったりしてしまうと、
妊娠しづらいというのはどうやら事実のようです。
「妊娠できない」のではなく、「妊娠しづらい」です。

適正体重に戻せば、そのうち70%の方が妊娠できるそうなのですよ、なんと。

それはいったいなぜなんでしょう?

答えは”ホルモンバランス”です。

ホルモンは脂溶性で、身体のなかでは体脂肪に蓄積されます。
体脂肪が多くなると排卵が起こりにくくなり、月経サイクルが乱れます。
エストロンという女性ホルモンが過剰になり、バランスが崩れてしまうのです。
その結果無排卵になってしまうことさえあります。

逆に痩せすぎでは、ホルモンの原料である脂質が足りなくなることや、
あっても、エストリオールという弱い女性ホルモンに変わってしまうため、
生殖能力が低下してしまうのです。

もちろん、急激に痩せると身体は生命の危険を感じて生殖機能を停止します。
ですから、無理なダイエットや摂食障害によって月経や排卵が止まってしまうのです。

太っても痩せてもホルモンバランスが崩れてしまうのですね。

もう少し細かいことをいうと、女性ホルモンのもとになるのはコレステロール
なのですが、このコレステロール値が高過ぎるのも低過ぎるのもアンバランスを
生じます。
痩せ型でも高コレステロール血症の方は要注意です。

またホルモンバランスのみならず、肥満によって血液循環が悪くなれば、
骨盤内の血流が滞り、子宮の状態も悪化していきます。
そんな方は下腹に触れるとすごく冷えていることが多いのです。

それでも、早く気づいて適正体重に戻すと、すぐに自然妊娠することがよくある
ようです。

肥りすぎと痩せすぎではどちらのほうが妊娠しやすいかというと、肥りすぎのほう
だそうです。
ですが、肥満していると妊娠しても妊娠性糖尿病や妊娠高血圧症候群になりやすく、
出産のトラブルが多いです。

妊娠してからでは体重コントロールが難しいため、今から少しずつ努力して
いきましょう。

若い女性の特徴なのかもしれませんが、自分は肥ってると思い込んでいる方が
けっこういらっしゃいます。

世界共通の肥満度をはかる計算式があります。
それがBMI(ボディマス指数)です。

BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)

この式によって導かれた数値で、18.5未満を痩せ、25以上を肥満とします。
適正は22くらいです。
だいたいこのあたりの方は病気になる確率がもっとも低いそうですよ。

BMI30以上の肥満度2以上になると、妊娠はかなり難しくなり、流産のリスクも
高まります。

逆に低すぎる場合は妊娠しても子宮内胎児発育遅延の子どもが増えるそうです。

いかがでしょう。

標準内に収まらない方は、なるべく早く対処していきましょう。
といっても、急いでダイエットは余計に悪影響を及ぼすことをお忘れなく!

さて、これまで女性の方の体重について述べてきましたが、
男性の場合はどうなのでしょうか。

同じBMIでいうと、25以上になると精液量の減少が認められ、精子の数自体も
少なく、正常運動精子の数が減るそうです。

男性もホルモンバランスが崩れるのは同じで、男性ホルモンが少なく、
女性ホルモンが多くなるそうです。

それは困りますよね!

漢方的に見てみると、肥満というのは「湿痰」や「オ血」と関連があります。
肥満女性に多い多嚢胞性卵巣症候群の原因も「湿痰」です。

食事療法、運動療法といったご自身でできる養生法を取り入れていただきつつ、
湿痰を取り除くための鍼灸や漢方の治療をしていきます。

また、身体をあたため、脂肪を燃焼していくことが大事ですね。

逆に痩せすぎの方もたいがい冷えていますから、とにかくあたためること。
そして、栄養をしっかり、とくに良質のたんぱく質を摂ること。
あとは、その方の体質に合わせて足りないところを補っていく治療を行ないます。

体重の異常がある場合は、間違った食習慣があるかもしれませんので、
毎日の食事内容を全部書き出してもらい、チェックしていくということもやっています。

適正体重なのに妊娠しにくい方はたくさんいらっしゃいます。
であれば、適正に戻しただけで妊娠できれば、とても幸せなことですよね。
これから年末年始がやってきます。
急激に体重が増える(!)可能性のある時期です。
お正月過ぎてから急激なダイエットを敢行しなくてもいいように、
どうか、常に適正体重を守ってくださいね!!

それでは、来週は食養生のお話です。
どうぞお楽しみに!


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