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膀胱経のポーズ(20100722)

2010-07-22 [記事URL]

みなさん、こんにちは! 石原幸です。
 
長かった梅雨もようやく明け夏本番ですね。

“夏”という季節。
陽気がいよいよ増し暑さもピークを迎えますから、私たちの体もそれに応じて
適度に汗をかいて熱を発散すると、おのずと代謝も高まっていくのが
自然の過ごし方です。

旅行やレジャーへ出かける機会も増えるこれからのシーズン、是非太陽の恵みを
享受して健康的に過ごしたいものですね。

しかしながらこの季節、あなどれないのが”夏の冷え”です。
外気温が暑いからと、薄着で出掛けたものの、電車やオフィス、スーパーなど・・・
冷房のききすぎた室内で寒い思いをした経験のある方は多いのではないでしょうか?
また、冷たい飲み物や食べ物を摂リ入れる機会が増える夏は、体の中からも
冷えがちです。

気が付いたら汗をかくこともなく一日寒い冷房の部屋にいて、足がすっかり
冷たくなっていたり、血流が悪くなり手足がむくみ、だるさを感じるなんてことは
ありませんか?

適度な運動に加え、できるだけ飲みものは温めるか、常温でいただく。
外出時は冷房対策として、カーディガンや靴下を持っていくなどの工夫をし、
夏の冷えに備えていただきたいと思います。

そこで今回の経絡ヨガでは、夏の不調を改善すべく、冷えやむくみの解消に効く
ポーズをご紹介します。
関係する経絡(東洋医学的に見た気血の通り道)は『膀胱経』です。

この膀胱経の流れは左右それぞれの目の内側に始まります。
次に額→頭頂部→後頭部→首の後ろ→背中→お尻→腿・膝の裏→ふくらはぎ→
足の小指に至ります。
背中には背骨を挟んでそれぞれ2本のルートがあり、このルート上のツボは
五臓六腑の状態を反映するとても大切な役割を果たしています。

ここの気の流れが滞ってしまうと、頭や首、体の後ろ側が痛み、体全体が柔軟性に
欠き、凝り固まったような感覚を覚える事も。
この膀胱経は水分の代謝や排泄と深い関わりがあるため、
流れが偏ったり悪くなったりしてしまうと、当然むくみや冷えにもつながります。
そんな時は、この経絡を十分に刺激して、代謝や排泄を促し、改善を目指しましょう。

<夏の不調を解消 膀胱経・下向きの犬のポーズ>

下向きの犬のポーズです。ダウンワードフェイシングドッグとも呼ばれ、
ヨガでは基本となる、有名なポーズですね。
犬が伸びをしている姿を想像し、リラックスしながらポーズを深めていきましょう。

1・ まずは四つん這いに
   両手はしっかり開き床を押し
   足のつま先を立てます。

2・ 息を大きく吸い、はきながらお尻を持ち上げます。
   足の裏を床につけるようにして、腿裏からアキレス腱全体
   に伸びを感じます。 背中から首は力まずリラックスを。

   ポイント:手と足の距離は、体の柔軟性に応じて調節しましょう。
 
 画像での解説もご参考ください。 

いかがでしたでしょうか?
初めてポーズをとられる方は無理をせずに、少しずつ身体の伸びを感じてみて
ください。

それでは来週は川上秀人先生が自然をテーマにお送りします。
お楽しみに!


夏の味覚-あぼかど No.2(20100715)

2010-07-15 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
夜中から激しい雨が降りましたが、みなさんのところはいかがでしたか?
梅雨明けももうすぐです。たぶん(^_^;)

今日はアボカドについて、後半をお届けします。

女性にとってうれしい成分が豊富なアボカドを、今度は東洋医学的に見ていきましょう。

アメリカ産のアボカドですが、中国では油梨と呼ばれています。
脂質が多いからですね。

性質は平、つまり寒熱の偏りはありません。
潤、降作用があります。
まさしく、潤いのモトなのですね!
臓腑では胃、肺に入ります。
五味では甘味に入ります。

東洋医学的な効能としては、
潤腸通便、つまり腸の粘膜を潤わせて、便通をよくします。
補中益気、適量を食べると、胃腸の働きを助け、気を高めてくれます。
あと、美顔なんてのもあります(^^♪

体質的には、潤す作用が強いので、陰虚体質の方が一番向いています。
降作用は、血圧が高かったり、いつも微熱があったり、肝気が上っているタイプ向きです。

逆に、冷え症だったり、消化の力が衰えている方は控えめに。
アボカドは熱帯、亜熱帯地方の植物なので、陰性が強く、身体を冷やしてしまいます。
そして、脂質が多いために消化に負担がかかるのです。
栄養をつけるためにたくさん食べると逆に消化不良になってしまいます。
もともと消化不良ぎみの方はやめておいたほうがよさそうです。

さて、おいしい食べ方ですが、本場メキシコではグワカモーレといって、
ディップのような形で食べるのが普通ですね。
柔らかいものを使えばちょっと混ぜただけでクリーム状になります。
タマネギやトマトのみじん切りを混ぜます。
濃厚でおいしいですよ。パーティ向けの一品ですか。

でも意外と和風も合うのです。
簡単に、わさび醤油がサッパリいただけて、いいですね。
まぐろとの相性がよく、角切りの切り身とアボカドを、これまたわさび醤油であえます。
丼にしてもいいですね。
私はわさびに飽きたらお醤油とちょっとゴマ油を香りづけに入れてみます。
いつもだと苦しいですが、たまにはいけますよ(^^)
おかか和えもあっさりいけます。
逆輸入のカリフォルニア・ロールが人気ですが、巻き寿司の具に欠かせません。

他には、豆乳とあわせてスープにしたり(ドリンクでも)、パスタソースにもなります。
サラダに使いやすいですが、マヨネーズと合わせるのが手っ取り早くて
おいしいとはいえ、ちょっと油が多すぎるような気もしますね。

陰虚で身体が熱っぽく、お肌が乾燥がちの方、便秘の方、
ぜひ一度試してみてくださいね!

次回は、石原幸先生の経絡ヨガです。
どうぞお楽しみに!


夏の味覚-あぼかど No.1(20100708)

2010-07-09 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

昨日は七夕でしたが、みなさんのところでは星空が見えたでしょうか?

梅雨明けまではまだまだですね。

さて、先日ゲストの方からアボカドをもっと食べたいけど、
どうやって食べたらいいんでしょうね? と質問をいただきました。

最近スーパーでも簡単に手に入るようになったアボカド。
今日はアボカドを取り上げて詳しく見ていきましょう。

アボカドはメキシコや中央アメリカ原産のクスノキ科の植物。
熱帯、亜熱帯で育つので、日本では比較的新しい果実です。
果実、といっても、甘くないので野菜のイメージが強いでしょうか。
日本語では、表皮の見た目からワニナシと言ったりもするそうです。

日本ではわずかに和歌山や愛媛県など温暖な地域で生産されているようですが、
ほとんどがメキシコからの輸入品です。

本場メキシコではサルサに欠かせない食材で、日常食のトルティーヤにつけて
食べるのですね。

これからの季節のアボカドは油のりがよく、特にねっとりしておいしいそうですよ!

ただ、買ったばかりのものはまだ完熟していないため、すぐに食べると固いし、
苦いのです。
常温で放置し、皮の色が黒くなって実が柔らかくなれば食べごろです。

アボカドは「森のバター」と言われるくらい脂肪が多いのが特徴です。
ギネスブックにも世界一栄養価の高い果物として載ってるそうなんですよ。
でも脂肪というと敬遠されそうですが、怖がる必要はありません。
2割も含まれる脂質のほとんど(80%)は不飽和脂肪酸なので、
血中コレステロールを増加させることはありません。

若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEも非常に多いのです。
抗酸化作用で、老化防止に効果があります。

ほかにもリノール酸、オレイン酸など、健康食として注目されています。
太りにくい体質づくり、血行促進、動脈効果の予防などにも役立ちます。

最近では肝機能を強化する効果が期待できるという研究報告もあります。

ただし、カロリーは多目です(;^_^A) ので、食べすぎはよくないですね!

切ったものは変色するのでレモン汁をかけ、ラップをして冷蔵庫で保存しましょう。
おいしいアボカドの見分け方ですが、
ヘタと皮のすき間があまりなくて、皮が黒く、張りがあってツヤツヤしていること。
過度に柔らかすぎるのは避けましょう。
後は購入してから常温で追熟させるのです。

アボカドを食べたら種をきれいに洗ってから水耕栽培すると
割と簡単に芽が出て観葉植物になりますよ。
ただし、冷蔵庫保存したものは芽が出ないことが多いそうなので、
常温保存しましょう。

次回は東洋医学的に見ていきましょう。
どうぞお楽しみに。


身体のリズムを妊娠力アップにつなげましょう!(20100701)

2010-07-01 [記事URL]

こんにちは! 今回の担当は、はりきゅう師 かわかみ ひでと です!

今回は「自然」のテーマのなかで、東洋医学的な「身体のリズム」を取り上げます。
この”リズム”を知れば、身体を調えることに役立ちます。
そして、身体を調えることは”妊娠力アップ”につながります!

“リズム”と言うと、リズムを上手く使えるまでに時間がかかったりするんじゃないのかな?
って思うかもしれませんね。

実はとっても簡単!

その身体の”リズム”とは”一週間”なんです!

この身体の”リズム”、東洋医学の源流となる太古の書物に載ってるんです。

一生のなかで、「女性は7歳ごと」「男性は8歳ごと」に身体の変化が訪れます
と書かれています。
このリズムは年ごとだけでなく、”日ごと”にも活用できます♪
女性は7日ごと、男性は8日ごと、男女ともに約”一週間”ですね!!
特に女性はぴったり当てはまります!
女性は月経周期(28日=7日×4日、14日目に排卵)があるので、
イメージしやすいのではないでしょうか。

前回のメルマガでもお話しましたが、この大昔の書物の記載は
自然の法則を長い年月をかけて導き出したものが元になっています。
現代だから、大昔と比べて自然のリズムが一年400日になったり、
一日36時間になったりしていることはありませんし、
もちろん人も自然のリズムのなかで生きているわけですからそのリズムは変わりません。

例えば月。
月の満ち欠けの周期は約28日で、”一週間”ごとに呼び名がかわります。
月経周期を考えても、新月や満月の時期に出産が多くなるというデータを考えても、
“一週間”が身体の”リズム”に合っていることをお分かりいただけるのでは思います。

昔の人が見つけたこの”一週間”という”リズム”を活用しない手はないですよね!
その活用方法は、ほんとにシンプル。

“一週間”ごとに身体を見直す!

そうすることでより効果的に身体を調えることができますし、それが妊娠力アップにつながります!
ご自身で簡単にチェックして見直しできるポイントは2つ。
「飲食」「睡眠」
男女ともに妊娠力に繋がる大切なポイントです。
これを”一週間ごと”に見直して、次の週の養生に活かしていきましょう!

「飲食」では、栄養のバランスももちろん大事ですが、
食べ過ぎ、早食い、よく噛んでいない、夕食が遅い又は寝る直前、間食(特に甘味)の取り過ぎ、
などがあれば、それを改善しましょう。

東洋医学的にはこの状態の継続は、脾臓や胃(消化吸収を担当)に負担をかけて弱らせ、
身体に悪影響を及ぼします。
そして、妊娠にもっとも関わる腎臓も弱らせてしまうんです!

「睡眠」では、就寝が24時過ぎ、寝る直前までパソコン・ゲームをしたりTVを見ている、
照明をつけたまま眠る、などがあれば改善しましょう。
東洋医学的に睡眠時間とその質の確保は、腎臓を養うには特に大切でなんです!

この2ポイントだけでも”一週間ごと”にチェックして改善していけば、
身体が必ず喜んでくれますからバランスが調いやすくなります。
妊娠力アップのためにやってみてくださいね!

東洋医学の治療も”一週間”リズムは効果的です♪
馬場聖鍼堂ではこれを踏まえて一週間に一度の治療をご案内しています。
私たちの豊富な治療経験からみても、このリズムがとても効果的です。
治療の際は担当鍼灸師が先ほどご案内した2つのポイント以外にも、
その方にとって必要な養生をご案内します。
ですからおひとりでご自身をチェックするよりも”一週間”リズムを有効に活用していただけます♪

みなさん、ぜひぜひ”一週間”リズムを活用してくださいね♪

では次回は近藤 琉水先生が担当です。お楽しみに!


胃経のポーズ(20100624)

2010-06-24 [記事URL]

みなさん、こんにちは。 はりきゅう師の石原幸です。
梅雨に入り、不安定な天気が続いていますね(>_<)

この時期は湿度が高くジメジメ不快感。何となく身体も重だるく、食欲も落ち、
食べても何だか調子が上がらない・・・ なんて感じてはいませんか?

東洋医学的に見てみると、高い湿度は特に消化機能を弱らせやすく
胃もたれや消化不良を引き起こす一因となります。

特に胃は食物を消化して五臓六腑にパワーを与える大事な役割をするところ。
ですから、ここを滞りなく元気に保つ事が、日々の活動を支え
健康な生活の元になります。
胃の調子が悪いために、体全体がつらくて元気が出ない・・・という経験は
誰もが一度は経験しているのではないでしょうか?

そこで今回は胃の不調を解消し元気に夏が迎えられるように、
胃に関わる経絡(気血の流れ)に関するヨガのポーズをご紹介したいと思います。

胃に関係する経絡は
目の下に始まり→のど→胸→おなか→そけい部→太ももの前側→膝→
すねの前外側→足の人差し指で終わります。

ここの気の流れが滞ったり不足したりすると、食べ物の消化吸収が
うまくいかなくなります。
甘いものや脂っこい物の食べ過ぎや、イライラしすぎの方は要注意です!
また、経絡の流れる場所に関連して頭痛や鼻炎、肌の黒ずみ、歯の痛み、
腹部の張りや膝の痛みなども引き起こす場合もあるんです。
そんな体の"サイン"に気付いたら、まずはこの胃経のポーズを試してみて
くださいね。

今回から画像での解説もアップしましたので参考にしてください。

1.正座から両足をそれぞれ外に開いて座ります(割り座)
 両手を少し後ろにつき上半身を軽くそらせます。
 ポイント→両足の甲はしっかりと床につけましょう
      呼吸を調えましょう

2.片肘づつ、ゆっくりと床に着き上体を肘の力で支えます。
 ポイント→足の突っ張りに限界を感じたらこの体勢で胸をはって
      呼吸を深めましょう 頭をもたげる場合は口を閉じてくださいね

3.ゆっくりと完全な仰向けになります。
 頭の上でお互いの両肘をつかむようにし、体の伸びを感じます。
 筋肉の緊張、腰の浮きがだんだんと解消されていくのを感じながら、
 数分間このポーズをキープします。
 ポイント→体の力を抜き、自然な呼吸をしましょう。

いかがでしたか?
無理なくリラックスしながら、ポーズを深めていきましょう!

それでは次回はかわかみひでと先生が自然をテーマにお届けします。


初夏の味覚-びわ No.2(20100617)

2010-06-17 [記事URL]

こんにちは! はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

梅雨ですね。でも毎日降らないのでちょっと助かりますよね。

今週はビワの2回目、びわの葉についてお伝えしていきましょう。

ビワは古くから果実だけでなく葉(枇杷葉)も薬として利用されていました。
枇杷の葉には、「タンニン」、「ビタミンB17(アミグダリン/レートリル)」が含まれ、
咳止めやガン予防に効果があるといわれています。

タンニンは細菌の繁殖を抑制するので皮膚疾患やかぶれなどにも有効です。

奈良時代には”枇杷の葉療法”が伝来したそうです。
中国では古来から枇杷の葉を使ってさまざまな病気を治していました。

葉の効能として、
潤肺止咳。
和胃止嘔、つまり胃の機能を回復して嘔吐を止めます。

抗菌作用が強く、血糖値を下げてインシュリンの分泌を促進する働き、
去痰作用、皮膚炎、かぶれや湿疹、リウマチや神経痛にも効くとか。

鎮咳作用ですが、熱性の咳や痰にも、乾性の咳痰にもよいとされています。
でも寒性の咳痰には向きませんよ。

葉は煎じて飲むのが一般的ですが、貼るだけでもいいのです。
葉の裏表を軽く火であぶってこすりあわせ、ちょっと冷めたら痛いところや、
腫れてるところ、痒いところに貼ります。
テープなどでとめておきましょう。

細かく切った葉を煮だしてエキスを抽出し、その液をお風呂に入れて
枇杷温泉もいいですね!

葉を陰干しし、細かく刻んでお茶にすることもできます。
疲労回復、整腸、ガンの予防、ぜんそく、肩こりの緩和などに効果があります。
湿布やうがい薬、消毒などにも使えますよ。
焼酎やホワイトリカーに漬け込んで枇杷酒にしてもいいですね。
化粧水や入浴剤にも利用できます。

葉を患部にあて、お灸を乗せたり棒灸をあてたりする方法もあります。
ただ患部に貼るだけでも体温で枇杷の葉の成分が浸透するのですが、
お灸の熱でよりいっそう患部に浸透して痛みなどの症状が緩和されます。
末期ガンの痛みも軽減できることもあるそうです。

私も学生のとき、鍼灸学校の周りの枇杷の葉をみんなで摘んできて、
枇杷の葉温灸をしたり、お酒に漬け込んで湿布にしたり、
けっこういろいろと実験をしたものです(^^)

お酒に漬け込むときは、冬の一番寒い”大寒”の日に摘んだ葉が
一番生命力が旺盛でよいとされていますよ!

いかがだったでしょうか。
枇杷の葉パワーには驚かされますね。

次回は石原幸先生の経絡ヨガです。
どうぞお楽しみに!


初夏の味覚-びわ No.1(20100610)

2010-06-13 [記事URL]

こんにちは! はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

爽やかな初夏の陽気が続いていましたが、そろそろ入梅も間近になってきました。

蒸し暑い日は冷たく冷やした果物がほしくなります。

今日は枇杷(びわ)を取り上げてみましょう。
ビワは果実の90%以上が水分。みずみずしい果物です。

ビワはバラ科の植物。原産地は中国です。

日本のビワの歴史は古く、古代から存在していました。
奈良時代には中国から仏教とともに”びわの葉療法”も伝来しました。

現在では長崎、鹿児島など温暖な地域で多く栽培されています。
ビワの実の旬は初夏ですね。

ビワは実が食用とされるほか、葉は薬用として民間で親しまれてきました。
お茶ににもなりますし、直接患部に貼ったり、お灸を乗せる「ビワの葉灸」も有名です。
鎮痛作用があるのですね。

今日は果物としてのビワの実を、そして次回は薬用のビワの葉を特集しましょう。

ビワの実のきれいなオレンジ色はカロテン。
その一つ「ベータクリプトキサンチン」は体内でビタミンAとなり、皮膚や粘膜、
消化器官などを正常に保ちます。
免疫機能を高めてガンの予防、身体の酸化を防ぐのでアンチエイジングに役立ちます。
目の網膜にもいいですし、咳や痰にも効果ありです。

でも、この成分はたくさん摂ればいいというものでもありません。
逆に大量に摂取すると発ガン性があるそうです。
サプリを飲まれるときはご注意を!

それから、ポリフェノールの一種のクロロゲン酸が含まれています。
味にも深みを与え、抗酸化作用があります。
また、ガン予防やインフルエンザなどのウイルス性疾病予防に効果大です。

他にもカリウムや、ペクチンやセルロースなどの食物繊維も豊富です。
高血圧の予防、コレステロール値の上昇を抑え、腸内の有害物質を排泄し、
生活習慣病を予防します。

それでは漢方的に見てみましょう。
性質は、平。潤、降作用があります。
臓腑は、肺脾肝に入ります。

東洋医学的な効能としては、
清暑止渇、つまり暑気を収め、のどの渇きを解消します。
降気止咳、つまり肺の機能を回復して咳を止めます。

体質的には微熱やほてりのある”陰虚”体質の方に最適です。
気が昇りやすい方、高血圧の方にもいいですね。
逆に冷え症の方は控えましょう!

おいしいビワの見分け方は、ヘタがしっかりして、実に弾力があるもの。
表面のうぶ毛がとれてテカテカと光っているものは新鮮ではないので避けましょう。

冷蔵庫に入れなくてもOKですが、できるだけ早く食べましょう。
冷やしすぎると風味が落ちますよ!

捨てる部分が多いビワ。
種を使って健康にもよいビワの種子酒をつくってみませんか?

種子は水洗いししてよく水切りします。
ビンなどに種子を入れ、ホワイトリカーを入れます。
種子からエキスが染み出て来てだんだん茶色になってきます。
3ヶ月以上置いたら飲めますが、できたら1年以上置きましょう。
甘味ははちみつがいいですね!

それでは、来週は薬効が非常に高いびわの葉の特集です。
どうぞお楽しみに!


自然と鍼灸(20100603)

2010-06-03 [記事URL]

こんにちは。
今回は、はりきゅう師川上秀人(かわかみ ひでと)が担当します!

前回ご案内しましたが、私のテーマは「自然」。
そこで今回は「自然と鍼灸」についてです。

鍼灸治療を受けてるけどなんで効くんだろう?
受けたことはないけどほんとに効くのかな?
といった方々に読んでいただいて、少しでも分かりやすいと感じていただければ
と思います!

私たちが携わっている鍼灸は東洋医学の一つです。
それにも種類があって、私たちが治療に用いているのは”伝統”鍼灸というもの
なんです。
その源泉は大昔に中国で書かれた医学書の考えに行き当たります。

実際の治療では現代人の暮らしの要素を加味して治療しますが、
土台は古い書物の中にある考えです。
その考えは身体全体を調えて治療をするにはすごく有効なんです!!
読者の方の中でも多くの方が、その治療効果を実感されていらっしゃるのでは
と思います。
(もちろん治療効果をさらに高めるために私たちは日々学び続けています!)

大昔の医学書と現代人の治療!?
どうしてつながるの?
と驚いた方もいらっしゃるかもしれませんね。

これをひも解くキーワードが「自然」。
人は自然の一部、はたまた、人も自然。
東洋医学の根本には「自然」があるんです。

大昔の人は今よりも自然と密接な暮らしをしていました。
“自然と一体となった暮らし”と表現した方がぴったりきますね。
農業一つとっても農薬・化学肥料なんてものはありませし、暮らしにしても
エアコンといった快適家電なんかありません。

そのかわり大昔の中国の人は生きるために、自然の移り変わりや急な変化、
そこでどうするか、などなど自然と一体となるためにひたすら自然のことを観察して
法則を見つけていったんです。
人も自然だから人自体にもその法則があてはまるだろうと考え、
さらに長い年月をかけて人の心身に関する法則を導き出し、
実践した結果として大昔の中国の医学書ができあがりました。
その中では心身を自然の事象に例えて説明するところがたくさんあったりします。

現代にいたるまで大昔の医学書の考えは”実践されながら受け継がれ”、
途中で多くの書物も残されてきました。
“受け継がれてきた”のはそれだけ治療として有効だということを証明してくれます。

人が宇宙に滞在できるぐらい文明が発達した現代でも、
「自然」である人が生きるために必要不可欠な、食事、排泄といった仕組みは
大昔とまったく一緒!です。
もちろん妊娠、出産も同じです!!

大昔の人が導き出した自然の法則を二千年以上の時間をかけて実践、熟成、進化
させてきたのが現代の東洋医学、そしてその一つが鍼灸なんです!

ここまでのお話で、鍼灸が現代人の治療にとても有効なことが少しでもお分かり
いただけたら幸いです。
と言いますのも東洋医学では心と身体は一つと考えますので、鍼灸への信頼が増せば
それだけ身体への治療効果も上がる!! からなんです。

では次回は近藤琉水先生が担当です。お楽しみに!


肝経のポーズ(20100527)

2010-05-28 [記事URL]

みなさん、こんにちは! 鍼灸師の石原幸です。

この春は寒さが長びき、雨の日も多かったですが、ようやく上着なしでも過ごせる
陽気になってきましたね。
梅雨までのつかの間、新緑の季節を満喫したいですね!

春は何かにチャレンジしたり、新しく物事が始まる季節でもあります。
なかには忙しくてストレスがたまっている! なんて方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか? 

もちろんイライラばかりがストレスではありません。
過度の緊張、時間に追われる生活、不規則な日々、運動不足など・・・
知らないうちにそれは体に溜まり、影響を及ぼしていきます。

東洋医学的にみると、ストレスと関係深いのが五臓六腑のなかの『肝臓』。
この肝は気や血液の循環をつかさどり、怒りの感情と関係しています。
“木”の性質にたとえられ、上下にのびのびと伸びゆくもの、発散しようとする性質が
あるのですが、ストレスを受けて気の流れが滞ると、これに関連したさまざまな症状が
でてきます。

最近何だか怒りっぽいという方、精神抑鬱や胸苦しさ、目のかすみや頭痛などの症状に
心あたりはありませんか?

ちなみに肝の経絡は足の親指の内側からスタートして→ふくらはぎ・太ももの内側
→生殖器→脇腹・胸→喉→目→頭頂部に達します。

生殖器に関連するため、肝の気が滞ると男女ともに性機能への影響が考えられ、
不妊の原因の1つにもあげられます。
もちろん鍼灸においても重要な治療ポイントです。

さて、そこでご自宅で簡単にできる、経絡ヨガのご紹介です。
血液や気の流れを潤滑にして、イライラを解消しましょう!
ポイントは肝の経絡の流れに沿ってストレッチを取り入れること。

『合せき前屈(がっせきぜんくつ)』のポーズ
座ったままで結構です。
1.両足の裏を合わせて股関節を開く。
  両足の重みで自然に膝が床につくように。
  かかとは手を使って、なるべく体に引き寄せてくださいね。
 →ポイント:内ももと足の付け根の伸びを感じること。

2.息を吸って背筋を伸ばす。
 →ポイント:胸の伸びを感じる。

3.息を吐きながら前屈をする。
 →ポイント:内ももに十分な刺激を感じる。

これを数回、深い呼吸とともに繰り返します。
1.のポーズだけでも気持ちを落ち着かせるのに効果的です。

下半身が中心のこのポーズは月経不順や月経前症候群などにも効果的です。
ぜひ生活に取り入れて、チャレンジしてみてくださいね。

来週は川上ひでと先生です。お楽しみに!


春の味覚-きゃべつ No.2(20100520)

2010-05-21 [記事URL]

こんにちは! はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
すっかり暖かくなりました♪
入梅が少しでも遅くなって、よい季節が続くといいですね。

さあ、今日はキャベツ第二弾です。
まずは漢方的にみていきましょう。

性質は平、つまり寒熱の偏りがありません。
臓腑では胃、小腸に入ります。胃と腎という説もありますよ。
五味は甘味。

東洋医学的な効能としては、
調利臓腑、つまり臓腑の機能を調節し、回復させてくれます。
通絡散血、つまり細い血のめぐりをよくし、循環障害を改善してくれます。
安胃止痛、つまり胃腸を丈夫にし、痛みを止めてくれます。

体質的には、もともと胃腸が弱い虚弱体質の方によいほか、
血行が悪い方や、血圧が高めの方にも向く食材です。
でもその他の体質の方にもまんべんなくOKだと言えますね。

気や血の流れを良くするだけでなく、腎臓を助けて生命力を高め、
筋骨も強くしてくれます。
理想的な食べ物なんですね。

胃酸過多の方にはキャベツがもってこいです。
胃のむかつきや、酸っぱい液が上がってくるといった症状はありませんか?
胃酸は強酸性なので、胃まで傷つけてしまうのです。
こういう方はキャベツを食べるようにするといいのです。
傷ついた胃壁を早く修復してくれますよ。

それでは今度はキャベツの見分け方です。
冬キャベツならずっしりと重い、中身がつまったものがいいのですが、
春キャベツは柔らかく、てっぺんがとがっているものがよいそうです。
色つやがよく、できるだけ新鮮なものを選びましょう。

切ったものよりは、やはり丸のままのものを求めるほうがいいですね。
でも傷むのも早いので、できるだけ早く使い切りましょう!

最初はもちろんサラダに、浅漬けも準備しておきましょう。
外側の硬めの葉っぱは炒め物に。
我が家では幼い頃からキャベツとチリメンジャコの塩炒めが人気です。
おジャコの塩気でほとんど味付けはいらないくらいです。
シンプルですが、これが一番美味しいのです。
後はスープやパスタ料理の具でもいいですよね。
クタクタに煮ないのがコツです。

それでは、キャベツの意外な利用法を。

やけどにキャベツ。
ちょっとしたヤケドなら、キャベツの葉をもんで貼っておくといいんです。
これはキャベツが食用になる以前から薬として使われていた用途なんですよ。

そして、タッパーやお弁当箱に臭いがついてしまってとれないことって
ありますよね?
そんなとき、キャベツの外側の普段はそのまま捨ててしまう葉っぱを
容器の中にいれておくのです。
不思議と臭いが取れるんですよ~!
やってみてくださいね♪

それでは、次回は石原先生の経絡ヨガです。
お楽しみに~!!


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