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ばなな(20090618)

2009-06-19 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
梅雨とは思えない気持ちのよい一週間でしたね。

さて、今日は庶民の味方の南国フルーツ、バナナです。
今ではブームが去りましたが、一時スーパーの売り場から姿を消しましたね。
ダイエットで大流行でした。効果のほどは・・・?!

残念ながら、何か一つのものだけを食べるダイエットはおすすめできません。
まんべんなく、バランスよく食べるのが正しい食養生です。
ブームには踊らされないようにしてくださいね(^^)

バナナはバショウ科の植物の果実です。(亜)熱帯地方で栽培されています。
日本ではそれほど多くの種類が出回っているわけではありませんが、
本来はいろんな品種があります。
以前インドでバナナを買って食べていたところ、道行く人に
「それはバナナじゃないから食べちゃだめだ。お腹をこわすよ」って注意されました。
私がバナナと思って買い求めたのはプランテーンという種類で、
加熱して食べるものだったんです。
確かに、果物の屋台にはさまざまな大きさや太さのバナナが並んでいます。
それぞれ味も値段も違うだけでなく、生食用、加熱用と用途も違うんですね。
フィリピンの揚げバナナ、美味しいです♪

バナナは熱帯地方では利用価値の高い植物です。
実は食用になりますし、花も食べれます。ビールだってできちゃいます。
葉は食器や屋根になりますしね。
熱帯では一年中実っていますので、旬はありません。

日本ではほとんどがキャベンディッシュという品種です。
皮が厚くて保存がしやすく、輸出入向きなんですね!
フィリピンや台湾産、エクアドル産が多いでしょうか。
あ、国内でも沖縄ではシマバナナが栽培されていますよ。

栄養面からいいますと、成分の多くは糖質。ブドウ糖や果糖、ショ糖などです。
食べてすぐにエネルギーに変わるので、スポーツの前などにいいですね。
他の炭水化物、例えばご飯やパンに比べるとぐっと低カロリーです。
このへんがダイエット向き、ということになった理由かもしれません。
でも、主食の代わりには無理があります。おやつですね。

他の成分では、カリウム、マグネシウム、ビタミンB1、B2、ナイアシン、B6、葉酸、
食物繊維なども多く含まれています。
便秘がちの方はバナナの整腸作用に期待しましょう。
果物には珍しくセロトニンが含まれ、これは神経を落ち着かせる働きがあり、
睡眠促進や側頭痛の予防にも役立ちます。
また、胃酸を抑制する効能もあるんですよ。

最近ではバナナには抗菌作用や免疫力を高める作用があることが確認されています。
なかなか優秀な果物なんですね(^^)

ではバナナ、芭蕉味を漢方的に見ていきましょう。
性質は寒性、潤、降作用があります。
臓腑では肺と脾に入ります。
東洋医学的な効能としては、
清熱潤肺、つまり体内にこもった余分な熱をさまし、肺を潤してくれます。
潤腸通便、つまり、腸を潤し、便通をよくしてくれます。
というわけで、体質としては、”陰虚”体質の方もいいですし、
高血圧や便秘に悩まされている方、血行が悪い方にもいいです。
便が硬い人向きです。
ただし、南方で取れるので身体を冷やしますから、冷え症の方には不向きです。
普段から食べすぎで消化不良をおこしている方は控えめに。
そういう方が朝バナナダイエットをすると体調が悪くなりますよ。

保存方法ですが、冷蔵庫に入れるとすぐに皮が真っ黒になってしまいます。
風通しのよい室温で、バナナハンガーにかけておくのがいいようです。
黒いポツポツができてきた頃が食べごろです。

バナナといえば黄色い果物のイメージですが、南国では花も食べるんです。
びっくりでしょう?
けっこうおいしいんですよ~♪
日本では味わえないかもしれませんが・・・。

ありふれた果物ですが、冷え症の方はやめておいたほうがいいということ、
しっかり覚えておいてくださいね。
誰でも彼でもバナナ、ではないんですね~。

さて次回は、特定の食材から離れて、食べることでカラダを癒すことについて、
ちょっと考えてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


夏の味覚-いか(20090611)

2009-06-12 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
早くも入梅しましたね。紫陽花の季節です。

さて、今日はお刺身や煮つけの定番、イカのお話です。
日本の食卓でおなじみのスルメイカ、アオリイカは春から夏が旬です。
イカは軟体動物で、10本の足(手?!)があります。
実際は8本の「腕」と2本の「触腕(吸盤がたくさんついてるもの)」だそうです。
イカの血には銅たんぱく質のヘモシアニンが含まれているので青いんです。
我々脊椎動物の血は鉄たんぱく質のヘモグロビン入りなので赤いです。
血は赤いばかりじゃないんですね。

イカといえばコレステロール、というくらい有名ですが、
コレステロールが気になるからといって、イカを食べないのは間違っています。
コレステロールには種類があり、LDLといわれる悪玉コレステロールの
比率が高くなると動脈硬化などになりやすいためによくありません。
ですが、HDLという善玉コレステロールは、体内の余ったコレステロールを
回収してくれる働きがあるので、こっちが多いのは良いのです。

そもそもコレステロールは悪者扱いされることが多いのですが、
人間の身体にとっては必要な成分なんです。
成人で1日に必要なコレステロールは1~1.5グラム程度。
食品からも摂取しますが、その多くは体内で合成されるんです。
そして、「胆汁酸」になって食べたものの消化という大事な仕事をしています。
その他には、血液に溶けて身体中に運ばれ、細胞の壁になったり、
ホルモンの原料になったりします。

ですので、コレステロールが極端に少なくなってしまうと、
身体に悪影響を及ぼします。
コレステロールは身体中にある60兆もの細胞の膜の材料ですし、
女性ホルモンの材料でもありますし、
脂肪やたんぱく質の消化吸収を担う胆汁酸の材料です。

というわけで、コレステロールが恐いからといって、極端に避けないでくださいね。
ただし、多くなりすぎると、胆石になったりということもありますよ。
そして、コレステロールが多く含まれる食品を避けたとしても、
砂糖や脂肪から肝臓がコレステロールを合成します。

イカには他にもタウリンという成分が豊富ですが、これはコレステロール値を
下げるという働きがあります。
ですので、血中コレステロール値が高い方はかえってイカを食べるといいのです。

それでは、漢方的に見ていきましょう。
性質は平性、潤作用があります。
臓腑では脾、肝、腎に入ります。
五味ではカン味(塩味)、甘味。
効能は、養血滋陰、血を補い、身体を潤します。
補肝腎、つまり肝と腎を補ってくれます。

ということで、”陰虚”体質の方にはピッタリの食材です。
ただし、生や加熱しすぎると消化が悪いので、食べすぎないでください。
もちろん、胃腸の弱い方や消化不良のある方、冷え症の方もそうですね。
軽く煮るのが一番です。
タウリンの分解も抑えられるので、火を通しすぎないで調理するのがポイントです。

イカは加熱するとすぐ堅くなってしまうのですが、
大根と一緒に煮ると、軟らかくてとってもおいしいんですよ!
お試しください。

一時イカスミが流行りましたが、墨は血行をよくする働きがあり、
ホルモンの材料にもなりますので、これもまたいいですね。
最近すたれてきてしまったのか、余り見かけることがなくなりました。
ぜひご自宅で復活させてくださいね。

“陰虚”体質の方、血行が悪い方、
安くておいしいイカをぜひ食べてください。潤いますよ!

さて次回は、少し前にダイエットでスーパーの棚から姿を消した
バナナを取り上げてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


ハーブ-はっか(20090604)

2009-06-04 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
6月に入りました。
衣替えもあり、街が明るくなりましたね。

さて、夏になると清涼感のある飲み物や食べ物が欲しくなります。
これまでお伝えしてきました通り、夏とはいえ、冷え症を自覚されている方は
氷や身体を冷やす働きの強い食品をたくさん取るのはよくありません。
少量のハーブを使って上手に清涼感を味わう食卓にしてみてはいかがでしょう。

今日はハーブのなかでも最もポピュラーなペパーミント(薄荷)を取り上げてみましょう。
ガムやキャンディでおなじみの、スーッとするフレーバーですね。
メントールという精油がその香りのもとですが、強い抗菌・抗ウイルス作用を持ちます。
花粉症やアレルギー性鼻炎をお持ちの方は、ミント入りののど飴で鼻がスーッと
通る感覚を持たれたことがあると思います。

気分爽快になるこのミント、実は妊婦さんには要注意なんです。
流産を誘発する作用があるのです。
とくに妊娠初期の方、或いはひょっとしたら? という時期の方は避けたほうがいいです。
意外と知られてないですよね。
アロマを楽しまれている方も、ペパーミントはやめておきましょう。
余談ですが、もう一つ人気のハーブにシナモンがありますが、これも妊婦さんには不向きです。
もちろん、アップルパイに入ってるほどの微量でしたら心配いりませんが、
エッセンシャル・オイルを使われる方は避けてくださいね。
ハーブは上手に使ってこそ効果が高いものです。

というわけで、一般の不妊治療をされている方々を対象に、ちょっとした知識と
上手な使い方をお伝えしていきましょう。

さて、薄荷(ハッカ)、ペパーミントはヨーロッパでも古くから薬草として利用されてきました。
シソ科の植物で、紫色のきれいな花が咲きますよ。
殺菌効果、食欲増進、二日酔いや乗り物酔いの胸焼け・吐き気解消、そして
リフレッシュ効果が高いです。
消化器系のトラブルに有効ですが、生で食べると刺激が強すぎるので、
ハーブティがよいでしょう。
頭が痛いときにコメカミに貼るという手もありますよ。
アロマでは、イライラ感が強いときや興奮状態などの激しい精神症状を
鎮めてくれますし、眠気を覚まし、集中力アップに役立ちます。
なんだかもやもやしてやる気も起こらない、なんてときにもいいですね。

それでは、漢方的に見ていきましょう。
薄荷の性質は涼性、昇、散の働きがあります。
五味は辛味です。
臓腑では肺と肝に入ります。
発散する力が強いので、身体が熱くて咽喉が痛いタイプの風邪に効きます。
宣散風熱という効能になります。
疏肝解欝、つまり気のめぐりをよくし、肝の機能をよくします。

体質的には胃腸が丈夫なほうで食べすぎぎみの方や消化不良の方、
ストレス過多だったり、血のめぐりもよくないという方に向きます。
反対に、虚弱体質で胃腸が弱い方、”陰虚”体質の方、冷え症の方には
不向きですので控えましょう。

体質や体調にあわせ、普段の紅茶に加えてみたり、お風呂に浮かべてみましょう。
暑い国ではお料理にもよく使います。
細かく刻んでごはんに混ぜてカレーと合わせたり、生春巻きの具に混ぜたり、
エスニック風の麺のトッピングにしたり、蒸し暑い日にはピッタリですね。
ベトナムではフォーのトッピングでさまざまなハーブをワサワサと入れて楽しみます。
ミント、香菜、シソ、ドクダミなどはおなじみです。
暑いときに清涼感を加えて熱いものを食べて暑さを乗り切る知恵ですね。
日本のジットリとした夏にもよいと思います。
上手に活用してみてくださいね。

さて次回は、イカを取り上げてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


夏の味覚-さくらんぼ(20090528)

2009-05-29 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
ここ茨木市で新型インフルエンザが発生し、ちょっとたいへんでしたが、
ようやく落ち着いてきました。
とはいえ、うがいや手洗いなどの予防は当分しっかりしていきましょう!

今日は初夏の果物、さくらんぼです。
桜の実です。桜はバラ科の落葉樹。
丸くて赤い小さな実がなりますね。
春を彩る桜は観賞用で、実はなりますが、大きくはなりません。
山形県の有名な佐藤錦、高級品のイメージですが、珍しさも手伝って非常においしいです(^^)
果肉が赤黒いアメリカンチェリーも甘味が強く、やみつきになりますね。

歴史的には、日本には江戸時代に清から家具や彫刻用の木材として伝わり、
食用は明治初期にドイツから伝わってきたそうです。
旬が短いので、季節を感じる味覚として、味わいたいですね。

栄養としては、主成分は糖質ですが、
ビタミンA、B1、B2、C、E、カリウム、鉄分、葉酸、リンなどが含まれます。
アメリカンチェリーの色はポリフェノールの一種のアントシアニンです。
これは毛細血管を強化し、目の疲れの回復に効果があります。

酸味のもと、レモンやオレンジに多いクエン酸がさくらんぼにも多く含まれますが、
これは疲労回復や老化防止に役立つだけでなく、
カルシウムの吸収を高める働きもありますよ。
骨の強化にいいでしょう。
豊富な鉄分と葉酸は貧血予防にいいですね。
カリウムは体内のナトリウムを排出する働きがありますので、
高血圧予防や利尿効果がありますし、むくみにもいいでしょう。

最近の研究ではメラトニンが含まれているという報告があり、
これは睡眠を促進しますので、不眠ぎみの方は試してみてください。

さくらんぼの実は小さくて、そのうえ真中の種がけっこう大きいので可食部分はわずかです。
ですので栄養価的にはそれほど期待できるものではありませんが、
この時期だけの果物ですし、造血ビタミンである葉酸を効率よく摂取するために
ちょっと奮発してみてはいかがでしょうか。

さて、漢方的に見ていきましょう。
性質は熱性、潤作用があります。
臓腑では脾・胃に入ります。

熱性ということは、虚弱体質で胃腸の弱い方や、
冷え症のきつい方にはとてもおすすめできる果物なんです。
逆に、熱っぽい方や”陰虚”体質の方には向きません。
余計に症状が重くなります。
喘息や肺炎などの熱症状がある方は注意が必要です。

東洋医学的効能としては、
益脾調中止痢、つまり胃腸の働きをよくして消化吸収力をつけ、
下痢を止めるという働きです。
他にも女性にとって嬉しい美顔効果があります。

虚弱体質の方の体質改善のためにおすすめなのがさくらんぼのお酒です。
甘くなくてもいいので、旬のものを1キロほど買い求め、
洗って水分をよくふき取った軸つきのさくらんぼを
焼酎1.8リットルに砂糖150グラムと一緒に漬け込みます。
冷暗所に3~6ヶ月置き、さかずき1杯ほどを毎日飲みます。

こうすれば、さくらんぼを旬を過ぎても楽しむことができますし、
熱を加えていないのでクエン酸やビタミンCが減らずに、栄養を上手に摂ることができます。
ただ、糖分が多いので、糖尿ぎみの方は注意してください。

さて次回は、暑くなると爽やかなミントの香りがうれしいものですが、
ハッカについて取り上げてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


春の味覚-あすぱらがす(20090521)

2009-05-22 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
ここ茨木市でも発症している新型インフルエンザ感染を予防するために、
マスク着用、うがい・手洗いの励行をお願いします!

さて、今日はユリ科の植物、アスパラガスです。
原産は地中海、日本には江戸時代に入ってきましたが、鑑賞用でした。
食用になったのは明治時代で、最初はホワイト・アスパラガスでした。
今ではメジャーになったグリーン・アスパラガスは昭和40年代以降です。
意外と新顔な野菜ですね。

遮光栽培したものが白アスパラで、ヨーロッパでは春を告げる味覚として
たいへん珍重されているそうですよ。

名前のもとになっているのが栄養素のアスパラギン酸。
アミノ酸の一種で、新陳代謝を活性化し、たんぱく質合成を高めます。
滋養強壮、疲労回復に効果があります。

カロチン(ビタミンA)やビタミンC、Eも多く、抗酸化作用、つまり老化防止や
美容にもいいってことですね。
穂先にはルチンという成分があり、これは血管を丈夫にして、
高血圧や動脈硬化の予防になります。

そして、貧血の方にはうれしい葉酸が豊富に含まれていますので、
不妊治療中のみなさんや妊婦さんにもぜひおすすめしたい食材です。
野菜のなかで最も葉酸の含有率が高いそうですよ。

といってアスパラをたくさん食べるとおしっこが臭くなることがあります。
これは体質によるそうなんですが、男性に多いそうです。
これはアスパラにふくまれる代謝物質のせいですが、健康に害はありませんので
ご安心ください。

それでは、漢方的に見ていきましょう。
性質は温性、潤作用があります。
臓腑では肝、心に入ります。
五味では苦・辛味です。
東洋医学的な効能は、
止咳、つまりセキを止めます。
生津止渇、つまり唾液などの分泌を促し、のどの渇きを止めます。
痒みを止める作用もありますね。

体質的には、万能選手です。
もちろん食べすぎはよくありませんが、どのような体質の方にもOKです。
優秀ですね!

西洋・東洋を問わず優れもののアスパラ。
調理が簡単で火も通りやすく、彩りもきれいですから、
これからの季節もっともっと摂り入れていきたいですね。
サラダやパスタが定番ですが、炒め物や、お肉で巻いて焼いたり、
てんぷらなどの揚げ物にもいいですよ。
和風であれば、ごま和えや焼き浸しがとってもおいしいです。

選ぶときは、穂先が開いてないものにしましょう。
根元の部分は硬いので、切り取ってくださいね。
水分が多い野菜ですから、保管するときはシナシナにならないよう、
ラップなどにくるんでおくほうがいいですよ。

色や姿は個性的だけど、クセがなくて何にでも合う万能野菜。
栄養価もバツグンです。
おいしくいただきましょう!

さて次回はさくらんぼを取り上げてみましょう。
可愛らしい果物ですよね。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


にんにく(20090514)

2009-05-15 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

今日は年中台所に常備されている香味野菜の一つ、にんにくを取り上げます。
さまざまなお料理のベースに、香りづけに、とっても重宝しますよね。
食欲をそそる匂いです。

にんにくはユリ科の植物で、球根を香辛料として使います。
茎はニンニクの芽ですが、これもまた香り豊かな香味野菜ですね。
歴史は古く、古代エジプトでも栽培されていました。
日本には8世紀頃には渡ってきたみたいですが、広く食べられるようになったのは
明治以降のようです。
年中出回っていますが、旬は5~7月頃が収穫期です。

栄養成分としては、たんぱく質、糖質、ビタミンB1、B2、ナイアシン、C、カリウム、
リン、鉄、カルシウムなどですが、一番有名なのがアリシンという物質です。
これがにんにく臭のモトですね。
これはビタミンB1と同じ働きをします。
つまり、炭水化物を分解してグルコースになるのを助けますので、
脳の活性化や疲労回復などに役立ちます。
ビタミンB1は酵素によって分解されてしまうのですが、アリシンは分解されにくく、
長時間働きますし、B1の吸収を高めてくれます。
抗菌作用、抗ガン作用、血糖値の降下作用も認められています。
また、免疫力を向上する働きもあるそうですよ。

ただし、熱に弱いという弱点がありますので、上記の作用を期待するには
生で食べないといけませんね。
加熱するとアリシンはアホエンという物質に変わり、
これはまた血流をよくする働きがありますのでいいのですけど。

そして、マイナーですが、スコルジニンという成分が含まれており、
これは疲労回復や食欲増進に効きますが、精子の増殖を促す作用があるんです。
ですから、にんにくは強精作用があるといわれているのです。

それでは漢方的に見ていきましょう。
性質は温性、昇作用、散作用があります。
五味は辛味、臓腑では肺、脾、胃に入ります。
小毒がありますので、食べすぎはよくありません。
効能としては、
除風寒、風邪の予防。
温胃破積消食、胃を温め、食べすぎによる食の停滞を取り除きます。
ほかにも咳を止める働きや、腫れ痛みを改善する働きもあります。

次に体質ですが、
体に熱がこもっているタイプの方には向きません。
“陰虚”体質の方もよくないですね。
目やにや痰がからみやすい方もよくないでしょう。
他にも、アトピー性皮膚炎、ニキビができやすい人、高血圧の方も控えめにしましょう。
では、どんな方に向いているのかというと、気や血のめぐりが悪い方や、
冷え症の方によいのです。
体が温かい、熱い方は不向きで、冷えてる方によい、と覚えましょう。

ですので、よく男性不妊の方でサプリを摂取される方がいらっしゃいますが、
熱が多いタイプの方が飲むと余りよろしくありませんので、
ご自身の体質をよく見極めてからにしてくださいね!

どうでしょう。
にんにくはスタミナがつくからなにがなんでも! と考えていらっしゃいませんか?
どちらかというと、疲労がたまり、だるいときなどに、少し摂るのが効果的です。
普段からたくさん食べる必要はないでしょう。
油との相性がよいので、緑黄色野菜も一緒に、お肉を調理するときに使いましょう。
鍋の油に投入してから火にかけ、ゆっくりと香りを出すように火を通すといいです。
焦げやすいので注意してくださいね。
イタリア料理に欠かせない香辛料ですよね。

寒気がして節々が痛い、という初期の風邪にもいいですが、
咽喉が痛くて発熱してしまったときはもうよくないですよ。
スポーツ選手をはじめ、疲労回復のためににんにく注射という手段があるようですが、
あまりおすすめはできませんねぇ。

さて次回はにんにくと同じユリ科ですが、匂いは全然きつくない野菜を取り上げましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


春の味覚-ちんげんさい(20090507)

2009-05-09 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
ゴールデンウィークはいかがでしたか?!

今日は中国野菜のチンゲンサイについてです。
青梗菜、と書きますが、油菜ともいうそうです。
確かにアブラナ科の野菜なんですね。
30~40年くらい前に日本に入ってきたそうなので、比較的新しい野菜ですね。
日本ではハウス栽培されることが多く、一年中出まわります。
路地ものでは、冬のものが霜にあたって葉がやわらかくなり、おいしいそうですよ。
プランターなどでも比較的簡単に栽培できるそうですので、家庭菜園向きです。

緑黄色野菜ですので、ベータ・カロチンが豊富です。
油との相性がいいので、調理の際は炒めるのがおすすめです。
すぐに火が通るので、手早く炒めればビタミンCも残ります。
カリウムやカルシウムなども多く、胃酸を中和して胸焼けを解消します。

そして注目したいのが葉酸です。
造血ビタミンですね。
不妊症の方や、妊婦、授乳中の女性の味方です。
チンゲンサイには鉄分も含まれますので、貧血予防のためにはとてもいい野菜です。

さて、漢方的に見ていきましょう。
性質は涼性、降作用があり、五味は甘、苦、辛味です。
臓腑では、心、肝、脾、胃に入ります。
清熱作用といって、体の余分な熱をさましてくれます。
通利胃腸作用は、胃腸の老廃物を取り除き、健康にしてくれます。
破結散血作用は、血行障害を改善してくれます。

体質では、一番向いているのは食べすぎ・飲みすぎで消化不良ぎみの方です。
熱っぽい方、高血圧の方、「陰虚体質」の方にもよいでしょう。
逆に、冷え症だったり、もともと胃腸が弱いタイプの方には向きませんよ。

ちょっとこのところ食べすぎちゃってるなっていうときに、ぜひどうぞ!
クセがないですし、あく抜きもいらないので、手軽に使える野菜です。
私はシンプルな青菜炒めが好きですね。
塩味か、ちょっとオイスターソースを効かせるとおいしいですよ~♪

さて次回は精がつく! として有名なニンニクを取り上げてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


いりばくが(20090430)

2009-05-01 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
季節が逆戻りしたような一週間でしたね。
体調を崩されていませんでしょうか。

今日はまるっきりサプリともいえないけど、漢方生薬ともいいにくいし、
というものを紹介します。分類すると食品に入るのだと思います。
“炒り麦芽”といって、粉末になったものが販売されています。
不妊治療ではけっこうメジャーなので、飲んでいらっしゃる方もあるかもしれませんね。
麦芽といえば、最近ではビールを連想される方のほうが多いかな?
昔は”○ロ”という飲料が有名でしたね。♪強い子のっ ○ロッ!♪

いったいこの正体はなんでしょう?
麦とはいっても大麦ですね。大麦はあまり見たことがないかもしれませんが、
押し麦はあるでしょうか?
丸いままの大麦よりは押し麦の形のほうがよく見かけると思います。
白米に混ぜて炊くと麦ごはんになりますね。
ちょっと前までは貧乏くさいとかなんとかで敬遠されていたのですが、
今は食物繊維もミネラルもいっぱい、ということで見直され、雑穀米を常食
される方が増えました。よいことです(^^)

麦芽というからには、麦の芽、なんですよ。
大麦を発芽させてもやしにして、それを乾燥させたものが麦芽です。
いわば乾燥麦もやしです。
発芽玄米はみなさんご存知だと思いますが、発芽大麦、と考えてもらったらいいでしょう。
それをこんがり炒ったものが”炒り麦芽”なんですね。

だから、麦を買ってきて水につけて発芽させ、それを干してフライパンで空炒りしたら
自分でつくれます。
それを煎じて飲んだら同じなんですが、今では粉末になって個包装された
便利なものが市販されています。

もともと大麦は消化を助ける働きが強く、胃腸のお薬です。
食べすぎて消化不良をおこしたときなど、大麦飯を炊いて食べるといいんですよ。
小麦粉でできたパンや麺類などよりずっといいですね。
ただし、胃腸が弱い方には向きませんので、無理して食べないようにしてください。

漢方的には、
清熱消渇(せいねつしょうかつ)、身体にこもった余分な熱をさまし、
糖尿病に効きます。
益気調中(えっきちょうちゅう)、元気を高めて胃腸の機能を回復します。
寛腸消積(かんちょうしょうせき)、整腸して食滞(食べ物の滞り)を解消します。
などといった働きがあります。

ではその大麦の麦芽となると、同様に消化促進や整腸作用があります。
また、生だと母乳の出をよくし、炒ったものだと離乳に役立つ、とされています。
炒り麦芽は昔から断乳の際に利用されてきました。

母乳の出はプロラクチンというホルモンが深くかかわっていますので、
現在では「高プロラクチン血症」と診断された方が飲むとよいと解釈されています。
このホルモンが高値になると、基礎体温がガタガタになり、着床しにくい状態になります。
授乳中は次の子どもを妊娠しにくいのはこのホルモンの働きによります。
早く断乳して次の妊娠に備えるために古くから炒り麦芽が利用されてきました。
つまり、妊娠しやすくなるというわけですね。
というわけで、高プロラクチン血症で不妊となっている場合に、
この炒り麦芽が利用されるのです。
基礎体温(とくに高温期)がガタガタの方や、低温期から高温期への移行が
スムーズではなく、徐々にしか上がらない方、月経前に胸のハリがきつくなる
といった症状がある方に向いているでしょう。
テルロンなどの高プロラクチン血症治療薬で副作用が出た方も安心して服用できます。

漢方薬でも「麦芽」として古くから伝わるものですし、
一度試してみてもいいのではないでしょうか?

さて次回は中華料理でおなじみの緑の野菜です。
青梗菜、どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


うめ(20090423)

2009-05-01 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

おにぎりの具の定番、梅干でおなじみのウメ。
日本の食卓には欠かせない地位をキープしています。
梅干以外にも、梅酒、梅シロップ、梅酢、といった形で食用となるほか、
漢方薬では”烏梅(うばい)”として利用されています。
花は観賞用とされ、各地に梅園がありますね。
日本の風土に古くから溶け込んでいます。

今日はこの梅について掘り下げてみましょう。
何気なさすぎて、意外と知らないこともあると思いますよ。

梅は薔薇科の植物、開花時期は1月下旬から4月初旬、よい香りがします。
「馥郁(ふくいく)」という言葉は梅のためにあるもので、「とってもよい香り」
という意味なんですよ。
「馥郁たる梅の香り」・・・今度使ってみましょう!

梅干は梅雨の頃に実を収穫して作るのですが、
梅の実がなる頃に雨が多いことから”梅雨(つゆ)”というのですよ。

ウメの実の成分として有名なのは”クエン酸”ですね。
これはレモンなどの柑橘類や酢などに含まれる酸っぱい味の成分です。
身体のエネルギーを生み出すために必要ですし、乳酸を分解して
排出するので、疲労の回復や老化防止の効果が高いのです。
乳酸というのは身体の疲労物質なんですね。
これが体内に蓄積することによって身体が疲れたり、筋肉痛になったりするわけです。
激しい運動をした後には酸っぱいものを食べましょう!
ちなみに血液中の糖分の燃焼が良くなり、血糖値が正常化します。
中性脂肪やコレステロールがたまりにくくなります。
ということから、糖尿病、高血圧や動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中の予防になります。

また、腎臓の機能を助け、老廃物の排泄を促すので、血液サラサラ効果があるそうです。
弱アルカリ体質をつくるので、病気に対する抵抗力を高め、免疫力が向上します。
カルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルを吸収しやすくするのは
「キレート作用」ですね。
通常は吸収されにくいのですが、クエン酸を一緒に摂ることで、吸収率がアップします。
他にも美肌効果であったり体脂肪の分解促進だったり、美容効果が高いです。
なんだかいいことばっかりですね(^^)
他にも抗菌作用だったり抗ガン作用だったり、きりがないほどたくさんの働きがありますよ。

それでは漢方的に見ていきましょう。
性質は降作用をもち、収れんの働きがあります。
臓腑では肝、脾、肺、大腸に入ります。
生津止渇、つまり唾液などの分泌を促し、口の渇きを止めます。
渋腸止瀉、つまり腸の機能を回復させ、下痢を止めます。
漢方生薬の烏梅は下痢や吐き気を止め、解熱や咳止めによいとされます。
『本草綱目』では「肺を斂め、津を生じ、痰を化し、気を下し、煩を除き、
熱を清くし、腸を渋らし、回虫を安んじ、中を調え、悪肉を去る」とあります。

この”収れん”という作用は、血圧の高い方や熱っぽい体質の方には
非常に有効です。高脂血症だったりドロドロ血が気になる方にも向いています。
ただし、そうかといって梅干をたくさん食べ過ぎるのは塩分過多になりますので
いけませんよ。梅肉エキスのほうがいいですね。
逆に、胃腸が弱い方や気のめぐりが悪い方には余りよくありません。
控えめにしておきましょう。
といっても体調が悪いときにおかゆと梅干1個を食べるくらいは全然大丈夫ですよ!
むしろ、おすすめします。

梅干も調味料として使うとレパートリーが広がります。
和え物や煮物に加えるといいですね。
魚の生臭さをおさえたり、爽やかな酸味が食欲を増したりします。
おいしい梅干を常備しておきたいですね!

さて次回はサプリなのか漢方薬なのか? 炒り麦芽をとりあげてみましょう。
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


漢方・鍼灸で不妊治療! 大阪からの妊娠ブログ日記です(20090416)

2009-04-23 [記事URL]

こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
すっかり葉桜になりました。
ポカポカ陽気が眠気を誘いますね!

今日は春の味覚からはちょっとはずれますが、同じく食がテーマです。
あなたのお夕飯のおかず、メインディッシュはどんなメニューでしょうか。
お肉とお魚を半々に? やっぱりお肉が多いかな?
お肉といっても、牛肉、豚肉、鶏肉、他にも羊肉や馬肉なんかもありますね。

たんぱく質は人間にとって非常に重要なエネルギー源です。
ただ、現代人は動物性たんぱくを摂り過ぎている傾向があります。
大事だからといって、毎食お肉を食べないといけないわけではありませんよ!
良質のたんぱく質を摂取するために、それぞれの性質を知っておきましょう。

さて、毎日牛肉というのも経済的にたいへんですし(^_^;)
脂も気になるところですね。
ですので豚や鶏の出番が多いのが普段の食卓ですよねぇ。
というわけで、今日は庶民の見方(!)鶏肉についてお話していきましょう。

ニワトリは代表的な家禽で、世界中で日常的に食用とされています。
日本ではブロイラーが一般的ですが、最近では地鶏の良さが見直され、
各地の特産品として全国区になってきていますね。
名古屋コーチンや比内鶏なんか有名です。

牛肉や豚肉と比べると、鶏肉は脂肪が少なくてヘルシーだと一般的にいわれます。
ただし、皮の部分に脂肪がありますので、皮つきでいただくと
けっこう脂が多いんです。
気になる方は皮を取り除いて調理するようにしてくださいね。
ただ、手羽先などはコラーゲンがたっぷりですので、もっと利用して
いただきたいです。

コラーゲンというのはたんぱく質の一種で、鶏の皮膚や軟骨部分に非常に多く
含まれています。
お肌や髪をつややかにし、関節の潤滑油となり、目にもいいですし、全体的に
老化を防ぐというステキ♪(笑)な成分です。
でもね、ビタミンCを一緒に摂るのがポイントですよ!
必ずお野菜もしっかり食べてくださいね。生野菜や果物だけでなく、お芋などは
加熱してもビタミンCが壊れにくいのでおすすめです。

鶏肉のたんぱく質で特徴的な点はメチオニンという成分が多いことです。
これは必須アミノ酸のひとつですが、血液中のコレステロール値を下げ、
活性酸素を取り除く作用があります。
人間の体内では作り出せないので、食物から摂り入れる必要があります。
主に肝臓で働き、毒素や老廃物を排除して代謝を促進してくれるんです。
不足すると肝臓の機能が衰え、コレステロール値が上がったり、
動脈硬化やむくみの原因となったり、感染症にかかりやすくなったりします。
また、脂肪肝を予防する働きがありますよ。

では漢方的に見ていきましょう。
性質は温性、潤し、気を昇らせる働きがあります。
臓腑では脾と肺に入りますが、五行でいうと木性、つまり肝臓のグループです。
肝といえば東洋医学では春の季節と関係がありますよ。
というわけで、西洋医学的にも肝臓によいとされるところは共通ですね。

効能を見てみると、益気養血、つまり気と血を補います。
温中補脾、つまり胃腸を温めて丈夫にします。
そして、補腎益精、腎の機能を回復して生殖機能を高めます。

どういう体質の方に向いているかといえば、やはり胃腸が弱い方です。
自信のある方でも、ちょっと体調を崩したときとか、病み上がりだとか、
そういったときには鶏肉のおかゆを食べるといいですよ!
逆に、体力があって常に食べすぎている方や、高血圧ぎみだったり
熱っぽい方には向きません。
身体に余分な熱をこもりやすくしますので、症状が悪化します。
また、冷え症の方にもそれほどよい働きをしてくれるわけではありません。
食べ過ぎると負担がかかりますので、控えめがよいでしょう。

鶏のきも(肝臓)、レバーは、文字通り肝臓の弱い方に向きます。
鳥目や貧血の方は鉄分やビタミンB2の補給ができますので、
積極的に摂るといいですね。

もともと高たんぱく、低脂肪でヘルシーな鶏肉なんですが、
現代ではブロイラーの普及で脂肪分が高くなりつつあるようです。
皮付きのモモ肉のから揚げ、となるとかなりカロリーだったりします。
脂肪が気になるのでしたら胸肉やササミ、美容のためには手羽先の煮込み
といったように、上手に利用しましょう。

私は塩コショウしお酒をふりかけて一晩置き、網焼きにするのが好きです。
簡単でしょ。脂が落ちていいんですよ。
インド料理のタンドリー・チキンも大好きです♪

さて次回は梅を取り上げてみましょう。
ん~ 口の中に唾が湧いてきますね(^_^;)
どうぞお楽しみに!

また次回お会いしましょう。


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