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冷え1(20081113)

2009-02-07 [記事URL]

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

最近、空気に冬の匂いがしますね。
と思ったら、暦でももう冬でした。7日が立冬でしたね。

風邪が長引いてなかなか咳が止らない方が多いです。
夜も咳で寝られないとか。
そんなときは「れんこん湯」を試してみてくださいね。
れんこんをすりおろして絞り、倍量ほどのお水と塩少々を入れて火にかけます。
煮立つ直前に火を止めて、ショウガの絞り汁をちょっと入れて、いただきましょう。
せき止めの民間療法です。
絞りカスはお料理に、例えばハンバーグやコロッケの種に混ぜて使ってくださいね。
れんこんといえば、私は蒸してあんをかけた蓮根まんじゅうが大好きです!

さて、今日から「冷え」についてのお話ですよ。
不妊治療を受けておられる方で「冷え症」を自覚される方はとても多いです。
なかには、冷えてるのに自覚のない方もいらっしゃいます。
冷え症なので体質改善したいと思っていても、知らず知らずに自ら体を冷やしている
こともあります。
「冷え」は”立派な”不妊の原因になりますよ!

最近低体温の人が増えてきているのですが、
平熱(腋窩で36.8℃)から一度下がると、免疫力が30%以上低下します。
そして、基礎代謝は約12%低下します。
そういったところから、肥満や成人病、代謝障害などをおこしやすくなるのです。
低体温になると、血管も収縮して血液の流れが悪くなります。
子宮や卵巣を栄養する骨盤内の血流も悪くなり、うまく働かなくなるのは
当然の結果です。
あなたはいかがですか?

なぜ体温が下がってしまうのかというと、やはり現代人の生活に原因があります。
若い頃からずっと薄着だったり、身体を露出する衣服を好んだり、
素足にサンダル、といったことはなかったでしょうか。
お風呂につからず、冬でもシャワーだったり、髪を洗っても乾かさずにいたり、
夏にはエアコンにあたりっぱなしではないですか?
食生活でも、時間もバラバラ、ファーストフードやインスタントものが多く、
朝食は抜きで夜は飲み会なんてこと、あなたはありませんか?
生野菜や果物、ジュースが多くないですか?
体を浄化するためといって、一日2Lものミネラルウォーターを無理して飲んでる方、
いらっしゃいますよね。
なんといっても甘いものが大好きで、食後やおやつの時間に
何かしら砂糖たっぷりのお菓子をつまんでしまうというあなた。
夜型で、毎日寝るのが12時以降、しかも平均睡眠時間は6時間未満。
忙しくて運動する時間がなく、全然歩いてない方。
ストレスをかかえ、イライラしっぱなしの方。

こんな生活をしていたら、身体が冷えるのはあたりまえです!

これまでも、身体をあたためる性質の食品を摂りましょう、というお話を
たくさんしてきました。
足湯をしたり、お灸をしたり、積極的にあたためることをしても、
生活全般が「冷え」の方向に向かっていては、なんにもなりませんね。

そして、ストレスにもかかわりますけれども、
長く不妊治療を続けることで、心が冷え切ってしまっている方も
いらっしゃいます。
これもまた「冷え」のひとつなんですよ。

こういった「冷え」をいかに取り除いて、温かい心身を築いていくことが、
妊娠への扉の鍵となります。

生活を見直し、実践していくのはあなた自身です。

そんなこといっても、今までできる限りのことをやってきたし、
それでもできないんだから!

とおっしゃる方。追い詰められて心が冷えてしまってます。
東洋医学では、心と体は一体と考えます。
心のゆとりが温かい体をつくります。

これからあなたと一緒に、どうしたら「冷え」を取り除くことができるのか、
体質改善ができるのかを考えていきましょう。

次回から「冷え」特集です。
どうぞお楽しみに。

さてさて、我が家では「鍋率」が高まっています。
鍋はいいですよー。なんてったって、調理が楽!(爆)
たっぷり野菜が食べれるし、体があったまります。
でもマンネリ化しやすいので、毎回味付けや具を変えるのがコツですね。
私はみそ味が好きですね。
豆乳に味噌を混ぜるのです。おいしいよぉ~(o^-‘)b
そして、具は腎によい豚肉がおすすめです。

それでは、また次号でお会いしましょう!
そうそう、今夜は満月ですよ~♪


食養生-クズ(20081106)

2009-02-06 [記事URL]

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

11月に入りました。今年も残すところ後二ヶ月です。早いものですねぇ・・・。

今日も風邪に効く漢方生薬のお話です。
生薬というと、なんだか苦そうなイメージですが、全然そんなことないんですよ(^^)

今日取り上げるのは、葛(くず)です。
【葛根湯(かっこんとう)】という漢方薬を一度は飲んだことがある方も多いと思います。
葛根というのが生薬の名前ですが、つまりはクズの根です。
マメ科の多年草で、東アジアの原産です。日本でも各地で自生しています。
葛切りや葛餅の原料は葛粉で、クズの根をさらしてでんぷんを取り出したものです。
夏から秋にかけてがシーズンです。
葛は秋の七草のひとつに入っているんですよ。ご存知でしたか?

本葛と呼ばれるものは生産量も少なく、水に何度もさらして不純物を取り除く
という作業があり、かなり手間もかかりますし、高級な食材です。
奈良の吉野葛が有名ですよね。
葛粉100パーセントのものだけが本葛なのですが、なかには馬鈴薯デンプンなどが
混ざった製品も多く、注意が必要です。
だって葛と違ってジャガイモは体を冷やします。
葛湯を飲んであったまろうと思っても、ジャガイモのデンプンだったら
冷えてしまいます!

この葛の効能ですが、まずは血行をよくしてくれるという作用があります。
なかでも、脳の血流を増加してくれるそうです。
また、免疫力を高めますので、風邪の予防にもいいですね。
発汗解熱作用もありますよ。

東洋医学的に見てみると、この解熱作用のほかにも、下痢を止める働きがあります。
そして、体を潤す性質があり、脾・胃に入ります。
体の「陰」を養ってくれるので、”陰虚”体質の方や、血行が悪い方、
冷え症の方、胃腸の弱い方、老人から子どもさんまで適しています。
反対に余り適さない方はというと、気を昇らせる性質があるので、
のぼせっぽい体質の方や、高血圧の方、あと余分な水分が体に貯まっているタイプ、
普段から食べすぎや消化不良ぎみの方は控えたほうがよいでしょう。
排出したい余分な水分が出ていかないのですね。

ここで【葛根湯】の話に戻りますが、風邪の万能薬のように言われてますが、
初期症状にはすぐれた効き目を発揮してくれます。
発汗作用が強いため、身体に入ってこようとする風邪(ふうじゃ)を
汗とともに追い出してくれるのです。
悪寒がして、首や肩が強ばって痛み、汗が出ず、発熱してきた! というときに
すぐ服用していただくと、とても効果的です。

風邪でなくても、ひどい肩こりや筋肉痛にもおすすめですよ。
ヒヤッとする湿布などを貼ると、その時は気持ちがいいのですが、
根本的な治療にはなっていません。
葛根湯を飲むと、血行がよくなり、内からほぐれますよ。
お試しください。

さて、これは余り知られてないことですが、葛には女性ホルモン様作用があるそうです。
微量ですが、イソフラボンの一種、ダイゼインという成分が含まれています。
これは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがあるのですって。
毎日葛湯を飲むというのも飽きますし、片栗粉の代わりにお料理に使ってみては
どうでしょう。汁物のとろみ付けや、あんかけにしたら、これからの季節にも
ぴったりですね。

もちろん、風邪をひいたかな? というときにはショウガ入りの葛湯です。
葛粉を水で溶き、火にかけてとろみが出るまでかきまぜながら煮ます。
器におろしたショウガを入れ、トロトロの葛湯を混ぜいれ、好みで黒砂糖を入れます。
芯からあったまるし、栄養もありますから、これをフーフーいいながら飲んで、
布団にくるまって寝たら、きっと風邪も治ります!
下痢を伴う風邪にもいいですよ。そのときは普通の葛湯よりも濃く作ってくださいね。

さて、次回は「冷え」について考えてみましょう。
本格的冬もすぐそこです。しっかり冷え対策をして、妊娠力をつけましょう!
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!


食養生-ショウガ(20081030)

2009-02-05 [記事URL]

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

10月ももう終わりですね。だんだん寒くなってきましたが、風邪などひいて
いらっしゃいませんか?

今日は漢方薬のお話ということですが、漢方薬によく入っている生薬の一つ、
“生薑(しょうきょう)”=生姜(ショウガ)をとりあげてみましょう。
お料理にもよく使いますし、薬味や付け合せとしても定番ですね。
そして、風邪のときにも活躍してくれるのです。

旬は夏の終わりから秋にかけてです。
とっても日本的、と思いきや、原産はインドです。
そういえば、カレーにも必ず入ってますし、インドの紅茶「チャイ」のスパイスに
ショウガは欠かせないものでした。

この生姜、干したものは”乾姜(かんきょう)”といって、
これもまた漢方薬ではよく配合されている生薬です。
“生”よりも発散する力は弱まりますが、お腹を温める働きが強いのです。

風邪のひきかけ時にしょうが湯を飲むといいのは、
胃腸をあたためて風邪を追い払ってくれるからです。

ピリッと辛いショウガの成分はジンゲロンといって、
殺菌力が非常に強いのです。抗菌作用ですね。
これが優秀な成分で、他にも食欲増進、新陳代謝の活発化、
発汗作用、コレステロール値の降下作用、血管の軟化作用、
などなど、さまざまな働きをもっています。

ショウガ独特の香り成分であるジンギロベールは、
胃液の分泌を促進して腸の働きを活発化し、
嘔吐を止める作用ももっています。

ショウガが体によいのは、あの辛味と芳香だったのですね。

他にも、血圧上昇や発汗解熱作用、心臓や呼吸中枢、
血管運動中枢の興奮作用も証明されています。
ですから、もともと血圧の高い方はお酒と一緒に摂るのは
やめたほうがいいようです。
皮膚病や痔のある方も控えめがよいそうですよ。

さあ、次は漢方的に見ていきましょう。
まずは性質ですが、微温。肺、脾、胃に入ります。
五味でいうと、辛味です。

微温性ということは、胃腸を温めるのですから、もともと胃腸の弱い方、
冷え症の方には最適です。いっぱい着込んでもお腹が冷える方、
いつも食欲がない方、積極的にショウガを食べましょう。
発散させる性質もありますので、気のめぐりが悪かったり、血行が悪い方にも
おすすめです。
ただ、発汗作用が強いので、”陰虚”体質の方は発汗によってさらに
症状が進んでしまいますから、気をつけましょう。
気が昇りやすい方も注意が必要ですね。

効能として「解表散寒(げひょうさんかん)」、つまり体に入った
冷え=寒気を追い払い、風邪を治します。
「温肺止咳」は肺の機能を高めて咳を止めます。
「温中止嘔」は胃腸を温め、冷えを伴う嘔吐を止めます。
といったところが風邪に効果が高いゆえんですね。

ご家庭では、ゾクゾクして風邪の予感がするときに、
お薬を飲む前にこれを試してみてください。
白ネギ、あればシソの葉、黒砂糖を番茶で煮出し、
おろしショウガを加えて飲んでみてください。
体が冷えて生理痛や腹痛がひどいときには、
番茶でコショウと黒砂糖を煮出しておろしショウガです。

ショウガはすりおろしたらすぐに食べましょう。
時間を置くとせっかくの成分が飛んでしまうのです。
そして、加熱しない。ここがポイントです。
ただし、加熱すると、胃腸を温める働きだけは残りますので、
冷え症の改善にはいいですね。

嘔吐を止める作用があるため、妊娠初期のつわりにも効果が期待できますね。
ムカムカして食べれないとき、ショウガを上手に取り入れてみてください。

魚料理など、生臭さを消すためにショウガはいい働きをしてくれますが、
これは殺菌効果によって食中毒の予防も兼ねているのです。
また、脂っこいものを食べ過ぎたときは、脂肪の消化を促進してくれるので
理にかなっています。

冷え症の方でよく「しょうが紅茶」を飲んでいらっしゃる方がありますが、
飲み過ぎには注意してくださいね。
体質によっては控えたほうがよい方もいらっしゃるので。

というわけで、身近な漢方生薬、ショウガのお話、いかがでしたか?

さて、次回はもう一度風邪に効く漢方生薬、葛(くず)のお話です。
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!


秋の味覚-柿(20081023)

2009-02-04 [記事URL]

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

今日も秋味シリーズです。急がないと秋が終ってしまいます。
秋もまたおいしい果物がいっぱいですが、いかにも日本的な果物の代表といえば、
柿 ですね。
柿は英語でも kaki なんですよ、ご存知でしたか?
東アジア原産ですが、今では世界に広まって「ジュクジュクの kaki 大好き!」
というイタリア人に会ったことがあります。その方は kaki はイタリア語で、
イタリアの果物だと思い込んでいました(`0´)ノ

旬は秋、しかも晩秋ですが、性質は”寒”性なのです。
体を冷やすので、冷え症の方は要注意ですね。
ただ、「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、風邪の予防になったり、
二日酔いの解消に効果があったりするのです。

柿にはアルコールデヒドロゲナーゼという酵素があるのですが、
これは文字通りアルコールを分解する働きがあります。
ですからお酒を飲む前に食べる方もいらっしゃるのですが、
残念ながら、木の上で完熟させた柿にはその効果があるのですが、
市販のものは青いうちに収穫され、アルコールで脱渋されていますので、
その酵素が破壊されています。
だから、あんまり期待はできないのです・・・。
でも庭に柿の木がある方には朗報かもしれませんね。
昔の漢方の本にも、柿の効能に「解酒毒」とあるくらいですから、
古来、そういった目的で熟した柿は食されてきたのでしょうね。

豊富な栄養素は、ビタミンCとベータカロチンです。
これらは抗酸化作用があり、アンチエイジングの作用があります。
というと「毎日食べなきゃ!」と考えてしまいますが、
ちょっと待った!

確かにビタミンCの含有量は非常に多いのですが、
(1個で1日のVCの必要量を満たすそうです! これはみかんの2倍です)
前述の通り、”寒性”の食べ物です。
冷え症の方はもちろんのこと、胃腸の弱い方や、消化不良の方、
子どもさんや年配の方には不適です。
タンニンも含まれるので、貧血の方にも向きません。
食べすぎると胃に結石ができやすくなるそうですし。

とっても甘くておいしいのですが、不妊治療をされていらっしゃる方には
不向きな食べ物だといえますね。
ただし、のどを潤す作用がありますので、”陰虚”体質の方には
わりといいのです。「清熱止渇」という働きです。
いつも微熱があるとか、高血圧の方にもおすすめですので、
薬だと思って食べてみましょう。

生柿がだめなら他の手で。
まずは干し柿。柿は柿でも干すと性質も”平”になります。
そして「渋腸和胃」「涼血止血」といって、胃腸を丈夫にし、
下痢を伴う下血を止めます。
柿のへたは吐き気止め、しゃっくり止めになったり、
子どもの夜尿症の薬や、しもやけに塗る外用薬になったりします。
柿の葉は血圧や血糖値の降下作用やがあるので、高血圧症や、
動脈硬化などの生活習慣病の予防によいと思います。
あと柿渋をご存知の方もいらっしゃると思いますが、
打ち身、やけど、しもやけ、痔、虫刺されなどの外用薬になります。
ビタミンCの摂取を期待するのなら、実よりも柿の葉茶のほうが効率がよいでしょう。

そういえば、柿の葉といえば、奈良の柿の葉寿司が有名ですよね。
あれは、柿の葉に多く含まれるタンニンの抗酸化作用をねらったのでしょうね。

以前九十歳の女性の方が足が冷えて痺れると訴えられるのですが、
柿が大好物で、毎晩2個ずつ食べてると言われて驚いたことがあります。
足の症状は感覚がなくなるほどだったのですが、「これだけが楽しみで」との
言葉に「せめて1個にしましょうか・・・」としか言えませんでした。
それほどおいしいものなのですね。
とはいえ、これから少しずつ気温も下がり、冷え症の方には辛い季節の到来です。
大好物の方は、なるべく木の上で完熟したものを求め、
大事に一切れだけいただきましょう!

さて、次回は漢方薬についてのお話です。
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!


秋の味覚-栗(20081016)

2009-02-03 [記事URL]

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

今日は栗のお話です。
幼稚園の頃に栗拾いに行った思い出がありますね。
イガイガの中にぱっくり開いた口から、まんまるでツヤツヤの栗がのぞいてて、
とっても印象的な外見といい、栗ご飯のおいしさといい、
みんな大好き、ですよね。

栗はご存知の通り、ブナ科の栗の木の実です。
ですからナッツの一種ですね。
ナッツといえば、普通は脂質が多いものですが、栗はでんぷんが多く、
脂質は少ないんです。そして、食物繊維やミネラルが豊富です。
なんでも、でんぷんの粒子が非常に細かいので、上品な味わい、
なんだそうですよ!

日本では「ニホングリ」、中国では天津甘栗で有名な「チュウゴクグリ」、
マロングラッセの「ヨーロッパグリ」、そして「アメリカグリ」と、
大きく分けて4種類あるんだそうです。
日本では、縄文時代の遺跡でも出土しているぐらい昔から食用と
されてきました。平安時代には丹波地方で栽培されるようになり、
「丹波栗」は今でも有名ですね。

主成分はでんぷんですが、他にもさまざまな栄養素を含む、優秀な食材です。

ビタミンB群が豊富で、疲労回復や老化防止、代謝促進に役立ちます。
ビタミンCもあり、しかもでんぷんで覆われているので、熱による損失が
少ないため、さつまいものときにお話ししたように、加熱しても
ビタミンCを摂ることができます。
カリウムは高血圧予防や、動脈硬化の予防にいいです。
カルシウムも豊富です。

そして、不妊治療をされている方にとくにおすすめしたいのが、
“葉酸”です。貧血の方には大事な栄養素ですね。
そして、鉄分も含まれていますよ!

渋皮にはタンニンが含まれていますが、これは抗酸化作用があります。
また、ガン細胞の増殖を抑制する働きもあるそうですよ。
そして、最近では栗の鬼皮や渋皮に含まれるポリフェノールに、
血糖値を抑制する効果も認められました。
栗の渋皮煮、というお菓子がありますが、
自然の恵みや薬効を無駄なくいただく先人の知恵、ですね。

次に、漢方的に見てみましょう。
栗の性質は温性。体を温めてくれます。
生命力を補い、強壮作用があります。
脾、胃、そして腎に入ります。
ですから、不妊治療にはピッタリ、ですね!

補腎強筋といって、腎を補い、筋肉や関節を丈夫にする効能。
活血止血といって、血行をよくし、出血を止める効能。
養胃健脾といって、胃腸を丈夫にする効能。
といった働きがありますよ。

体質的には、胃腸が弱い方、血行が悪い方、冷え症の方に
よいでしょう。
反対に、普段から消化不良や便秘がちな方にはよくありません。
ですから、子どもさんの発育にはとてもいいのですが、
おいしくて食べ過ぎてしまいがちですので、毎日少しずつ、がよいでしょう。

口内炎がよくできる方は、毎日少し食べると予防になりますよ。
少し、というのは1日10個まで、ですね。
よく噛んで食べてください。

おいしい栗のいただき方代表は「栗ごはん」。
もち米を入れるとさらに美味しいです!
後はお菓子類が多いでしょうか。
渋皮煮、甘露煮、栗きんとん、マロンペーストにしてモンブラン、パウンドケーキ、
などなど、栗好きにはたまりませんね。
ただし! 甘いものには要注意です。お砂糖控えめでよろしく。
できれば、ゆで栗でほくほくした自然な甘さを楽しんでくださいね。
市販の甘栗も、手軽に食べれる自然のおやつです。

冬の前に腎を養う栗を食べる。
これが自然にかなった食養生です。
皮むきが少々めんどうくさいのですが、2,3時間熱湯につけておくと
意外と簡単に皮をむくことができます。
ぜひ生の栗を味わってくださいね。

さて、次回は秋の果物の代表、柿です。
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!


ツボ-関元(20081009)

2009-02-02 [記事URL]

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

今日は久しぶりにツボ、経穴のお話です。
はりきゅう治療を受けておられるゲストの方々は、鍼を刺されるところ、
お灸をすえられるところ、が経穴ですから、だいたいわかりますよね。
全身365個のツボがあるなか、1回の治療で実際に使うのはほんの10箇所前後
なので、きっと「あのへんとあのへんは毎回だな」なんて覚えていらっしゃるかも
しれません。

実際に自分で鍼をするのは無理ですけれども、
お灸をしたり、指圧したり、というのはご自分でもできますからね。
ちょっと覚えて暮らしのなかに取り入れてみませんか?

今回は『関元(かんげん)』というツボをご紹介しましょう。

これは大事な経穴なんですよ!

“(臍下)丹田”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
武道をされてる方には馴染深いかもしれませんね。
おへその真下、だいたい4,5センチ(三寸)にあります。
ご自分の指4本分です。
おへその下に手を横にあてて人差し指から小指までの長さです。

“丹田”というのは気の田という意味です。
ここに気を集めると、しっかり体の重心が取れて、
武術をするにしても、お花やお茶をするにしても、うまくいくのです。

そんな機会でないとしても、一度この下腹あたりに意識を集中させて、
力を集めてみてください。
きゅっと骨盤がしまって、正しい姿勢を保てるのがわかるでしょうか?

人間にとって、この丹田は武道のときだけでなく、
健康を維持していくのにとっても大事なところだといえます。
「臍下丹田に力をこめろ!」っていいますよね。
この丹田、つまり関元というツボがヘナヘナだったら、元気でいることなんて
できないんです。

ということで、このツボの重要性はわかっていただけたと思いますが、
位置的によく見てみると、ここって、ちょうど子宮の上になるんですね。
ですので、生理痛の緩和にもいいですし、常日頃からケアしてあげると
生理痛はもちろん、生理不順の予防もできます。
女性に多い冷え症にもいいですし、やっぱりやっぱり、
不妊症にも効きます!!

ということで、ここはやっぱりお灸が一番。
ほんわりあったかぁ~いと感じるくらいのお灸をしてくださいね。

ただし! 注意が必要です。
横になってやりますと、場所的によく見えないのです。
正確な位置は指4本分ということでわかるのですが、
実際に火のついたお灸を自分で置く、というのが結構至難の業です。

火の取り扱いには充分な注意が必要です。
ですから、できれば誰かにやってもらってください。
ご夫婦でしたら、パートナーの方にお灸をしてもらってください。
それが一番ですね。

治療院では、お灸以外でも”火曳(ひ)きの鍼”という施術法で使います。
金でできた太くて先の丸い鍼をこのツボにあて、気を集めるのです。
敏感な方は、もわっとあたたかく感じることができます。

他にも、”丹田呼吸法”というのを聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。
要は腹式呼吸なんですが、丹田(ツボというより、下腹部あたりのエリア)に
意識を置いて行うのがコツです。

朝目が覚めたら布団の上でしばらくこの呼吸法をすると、
元気よく起きることができます。
寝る前にすると、深い睡眠を取ることができます。
ぜひ試しみてくださいね!
下腹部に気を集める、エネルギーをためるようなイメージをしてください。
その際頭では別のことを考えながら、ではよくないですよ。
しっかり意識をお臍の下に集中してくださいね!

急に寒くなってきましたが、丹田に気を集めていくとお腹があたたまり、
そして全身がぬくもってきます。
冷え症の方にはとくにオススメですね。

さぁ、いかがでしたか。
関元穴、臍下丹田。
非常に大事な経穴ですね!

さて、次回はほっこりおいしい秋の味覚、栗のお話をしましょうね。
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!


食養生-さつまいも(20081002)

2009-02-01 [記事URL]

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

今日は「さつまいも」のお話です。
甘藷、ですね。
英語ではsweet potatoというだけあって、甘味が強く、女性に好まれる
「いも・たこ・なんきん」のひとつです。
私も大好き(^^)

意外にも、ルーツは南米だそうです。
コロンブスがスペインに持ち帰ってから世界に普及したそうですよ。
日本には中国経由で17世紀終わりに鹿児島に渡り、
それで「薩摩芋」として定着したんですね。
江戸時代から栽培されています。

さつまいもの強みは豊富な食物繊維。
生活習慣病の予防や抗癌作用があることはよく知られるようになりました。
さつまいもに多く含まれる食物繊維のセルロースは腸内でほとんど分解されず、
整腸作用を発揮してくれます。
便秘がちの方にはいいといわれますが、
ただ、よくお腹が脹る方は余計にガスが増えるので、
かえってよくないのですよ。
やせて、胃腸が弱くて便通があまりない方にはおすすめですが、
肥満ぎみで、常に腹部膨満感のある方には適していないのです。
また、食物繊維を大量に摂るとビタミンやミネラルの吸収の妨げになります。
サプリをたくさん飲んでも吸収されずに排出されてしまうので、
食べすぎにはご注意くださいね。

余り知られてないところでは、さつまいもに含まれるホルモン様物質です。
この働きによって美肌効果が期待できるのですが、
食欲増進作用がありますので、やっぱり太りぎみの方には向かない理由です。
更年期の女性にはよいでしょう。

それから、実はビタミンCも豊富なんですね。
ビタミンCは熱に弱いものですが、さつまいもの場合はでんぷんに包まれて
いるので、加熱調理に強いのです。
ビタミンC摂取のために果物や生野菜に頼るだけでなく、
さつまいもを見直してみましょう。

注意が必要なのは、胃酸過多の方です。
食べ過ぎると胃酸が高まりますので、控えめにしましょうね。

それでは漢方的に見てみましょう。
性質は「平」なので、基本的にどんな方にもよいのですが、
特に胃腸の弱い方や子どもさんによいでしょう。
胃腸を丈夫にして、元気をつけてくれます。
「和胃生津(わいせいしん)」といって、胃腸の働きを回復させ、
唾液などの「津液」を増やしてくれます。
他にも便通を促す作用もあります。
出産後の回復のために、さつまいもと鯉を煮たものがよいそうです。
将来のために、覚えておいてくださいね!

臓でいうと、脾、胃、腎に入ります。
ということで、不妊治療中の方にもおすすめできる食材ですね(^^)

もう少し寒くなったら「石焼いも」が食べたくなりますが、
あれはゆっくり加熱することでさつまいものでんぷんが
酵素によって分解して糖に変わるため、甘味が強くなるんですよ。
“石焼き”はそのために最適な調理方法なんですね。
おうちで料理するときは、電子レンジよりも、蒸すとか
ゆっくり煮るほうが、甘くなりますし、消化吸収もよくなります。

おいしい食べ方としては、レモンとはちみつで煮る、
ゆでて少量のマヨネーズであえてポテトサラダ・さつまいも版、
サイコロ状に切ってご飯に炊き込むとか、
ちょっと目先の変わったレシピがネットで検索すると出てきますよ。
じゃがいもの代わりにしてみるとおもしろいんです。
ゆでてつぶしてコロッケとかね!
ま、てんぷらにも欠かせませんけれども。

ホクホクであまぁ~い、おさつ。
お菓子の代わりにおやつでもいいですね。
おいしくって食べすぎに注意!!

さて、次回はツボのお話をしましょうね。
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!


食養生-ヤマノイモ(20080925)

2009-01-30 [記事URL]

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

今日は前回ご紹介しました漢方薬【六味丸】にも入っていた生薬、
山薬(さんやく)のお話です。
生薬というと難しそうに聞こえますが、山の芋のことです(^^)

日本ではかなり大昔から食用とされてきた歴史があります。
日本固有というわけではなく、アフリカや中南米でも食されています。
イモ類のなかでは唯一生食ができるんですよね。
とろろ汁とか、山かけ蕎麦とか、おいしいですよね!
おいしいだけじゃなく、生だからこそ摂取できる大切な栄養素があるんですよ。

あのネバネバ成分はムチンという、たんぱく質と多糖類が結合した粘性物質です。
納豆やオクラ、なめこなどにも含まれているネバネバ物質です。
動物の粘膜にも含まれていて、わかりやすいのはウナギやどじょうのヌルヌルとか、
人間でも口や鼻の中、胃腸の壁などのあらゆる粘膜もムチンで覆われています。

このムチンは、粘膜を潤して強くしてくれるので、例えば胃潰瘍の予防だとか、
さまざまなアレルギー症状の緩和に役立ちます。
また、たんぱく質の消化吸収を高めてくれるので、摂取したたんぱく質を無駄なく
体内に取り込むことができるのです。
それから、鼻の粘膜を強くすることで、ウイルス性の病気、風邪やインフルエンザ
などの予防にも効果を発揮します。
でんぷんの消化酵素、アミラーゼやジアスターゼも豊富なので、ごはんや麺類と
一緒に食すのは理にかなっていますね。
ただ、これら酵素は加熱に弱いので、熱くするのも40度くらいまでにしましょう。

お酒を飲むとき、アルコール度数が高いと胃壁を傷つけるので、
ムチンを含んだものをおつまみに食べるのがいいですね。

ヤマノイモの成分のほとんどが水分とでんぷんですが、食物繊維も多く、便秘解消や
腸のお掃除のために、積極的に食べるといい食品です。

その他にも、新陳代謝を活発にするコリンや、抗酸化作用のあるサポニン、
活性酸素を解毒するカタラーゼなどもありますね。
コレステロールを減らして動脈硬化を予防し、血糖値を降下し、
つまりは老化防止や強壮作用も期待できます。

それでは、今度は漢方的な見方をしてみましょう。
ヤマノイモ、山薬は体を潤す働きが強く、虚弱体質を改善します。
胃腸が弱い方にも、”陰虚”体質の方にも適しています。
ただし、五味でいうと「甘」ですので、余分な水分が体内に溜まり易く、
お腹が張りやすくなりますので、ふだんから食べすぎで消化不良の方は
控えめのほうがいいようです。
それ以外の方は、老人から妊婦さん、子どもまで大丈夫です。

東洋医学的な効能をいうと、
まずは「健脾益気」=胃腸を丈夫にし、吸収力を高め、体力をつけます。
「補肺固腎」=衰弱した肺の機能を高め、生殖機能を保ちます。

どうでしょう。不妊治療にぴったりでしょう?!

他にも「鎮心安神」といって、精神を安定させる働きもありますよ。

この秋、夏の疲れが出てきて体がだるい、食欲がない、といった症状があり、
不妊治療で精神的にも参っている、という方々にぴったりです。

食べ方はやっぱりすりおろして、お醤油をかけて食べるのが基本です。
お蕎麦や麦ごはんのときは少しだし汁でのばすといいですね。
置いておくと変色してきますから、おろしたらすぐに食べましょう。
保存するときは切り口をラップで包み、冷暗所でお願いします。

たまに、おろした後、手が痒くなりますよね。
あれはシュウ酸カルシウムの仕業なのですが、この物質は酸に弱いので、
皮をむいてから薄めた酢で洗うと痒みを防ぐことができますよ!

あと、豆知識として、むかごを紹介しましょう。
これはヤマノイモの葉っぱの付け根にできる球芽のことです。
秋の味覚の一つですね。むかごご飯、おいしいですよ!
皮をプチッと噛みやぶると中はトロッとしてて、なんだかやみつきになる食感です。
甘辛く煮付けても美味です。

九州みやげで有名なかるかんまんじゅうというのがありますが、
かるかん粉という米の粉にヤマノイモを混ぜて生地を作るんですよ。
独特のしっとり感がいいですね。

これから秋の風が吹くと風邪をひかれる方が増えますが、
風邪の予防のためにも、そして腎を養うためにも、
これからが旬のヤマノイモをしっかり味わいましょうね!

さて来週はイモつながりで「さつまいも」です。
秋といえば、遠足の定番・イモ掘り、ですよねぇ。
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!


漢方薬-六味丸(20080918)

2009-01-29 [記事URL]

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

今日は漢方薬をまたひとつ紹介しましょう。
これで4つ目ですね(^^)

【六味丸(ろくみがん)】というお薬です。
もともと子どもさん用の処方なんですが、おとなの方にももちろん有効です。
別名【地黄丸(じおうがん)】とか【六味地黄丸】ともいいます。
“滋陰”のお薬の代表格です。

別名にもある通り、地黄(じおう)が主薬です。
他には、山茱萸(さんしゅゆ)、山薬(さんやく)、牡丹皮(ぼたんぴ)、
茯苓(ぶくりょう)、沢瀉(たくしゃ)、です。

地黄という生薬はゴマノハグサ科の植物の根っこなんですが、加工されているので
触るとベタベタしていて、弾力があります。水を含んでいるのですね。
色は真っ黒で、甘味があります。
この黒という色は「腎」の色だということは何度もお話していると思います。
これが主力なわけですから、腎を補うのによいということはおわかりですね。
甘味は津液(しんえき)を増やします。

山茱萸はミズキ科の植物の実です。グミに似ていますよ。
肝臓と腎臓に効く生薬で、滋養と収斂の作用があります。

山薬とはヤマイモです。
こちらも滋養の作用が強く、消化力を助ける働きもあります。

牡丹皮はボタンの根皮ですが、熱をさます作用が強く、
午後になったら出る発熱や、目の充血、頬の紅潮など陰虚発熱に有効です。
また、オ血を下す働きも強いです。

茯苓はサルノコシカケ科マツホドの菌核です。
利水作用があり、余った水分を腎に通じさせるのです。

沢瀉はオモダカ科サジオモダカの根茎です。
これも利水作用があり、熱をさます働きも強いです。

以上の生薬の集りですので、全体として「腎虚」に効きますが、
とくに腎虚による”虚熱”の症状に対して有効な処方です。
“虚熱”というのは、陰液、つまり体の水分や血液などが少なくなることで
生じてくる熱のことで、ほんものの熱ではありません。
本人は熱く感じるのですが、体温を測っても発熱はしていないのです。
手のひら、足の裏がほてるとか、皮膚が乾燥して痒いとか、
腰痛や耳鳴り、口渇などが出やすくなります。

不妊治療をされている方で、上記のような症状に思い当たるところがあり、
舌の潤いがなくて色が紅色だったり、寝汗をよくかく、なんて方は
このお薬を試してみる価値があります。

この処方の元となっているのが【八味丸(はちみがん)】というお薬ですが、
これは【六味丸】に桂枝(けいし)と附子(ぶし)が入っています。
こちらも同じく腎虚のお薬ですが、身体が熱するのではなく、
逆に冷えている方に向きます。
これは間違えないようにしてくださいね。
陰虚体質の方が【八味丸】を飲んでも、
冷え症の方が【六味丸】を飲んでも、
どちらもよくなりならないどころか、症状が悪化する恐れがありますので、
ご注意ください。

不妊専門のクリニックで漢方薬を処方されるところは多いのですが、
なぜかこの【六味丸】は余り出ないようです。
でも、腎が弱い方がほとんどですので、ファーストチョイスのお薬として
もっと使われてもいいと思います。
実際当院のゲストでこれを飲まれている方が割と早く妊娠されました。
おいしいものではありませんが、体質が合っていると割りと飲みやすいものです。
「お茶のようにリラックスして飲んでいます」とおっしゃっている方も
いらっしゃいます。
ぜひ体質をチェックしてから服薬されるようお願いしますね。

さて来週は【六味丸】にも入っていた山薬のお話です。
つまり、山のいも、です(^^)
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!


秋の味覚-サンマ(20080911)

2009-01-26 [記事URL]

こんにちは、はりきゅう師の近藤琉水です(^^)

さあ、今日はニッポンの秋の味覚の代表格【サンマ】です。
おいしいですよねぇ~~♪
サバとともに秋が旬の青背の魚です。
秋になると脂肪分が多く、それがおいしさの秘密です。
新サンマの塩焼きに大根おろしを添えて、スダチを絞って、お醤油かけて・・・。
ん~ 最高ですねっ!

でもサンマが一般家庭の食卓に上がるようになったのは江戸時代の後期からです。
比較的沖合に回遊しているので、漁法がなかったのですね。
産地というか、漁獲高は北海道が多いそうです。
脂ののったサンマは口の先が黄色っぽいそうですよ。
大きくて、口先が黄色いものを選びましょう。

最近ではサンマの調理法もさまざまですが、やっぱり塩焼きが基本です。
でも、焦げた皮の部分には発ガン性物質が含まれますので注意が必要です。
それがなんと! 大根おろしにその発ガン物質を分解する成分がありますので、
とっても理にかなった組み合わせなんですよ。
できたらたっぷり大根おろしを添えていただきたいですね。

もう少し詳しく栄養素を見てみると、青背の魚特有のIPA(EPA)や
DHAがあります。どちらも脂肪の部分に含まれています。
IPA(EPA)は不飽和脂肪酸の一種で、血栓症を予防します。
また悪玉コレステロールを低下させ、善玉コレステロールを増加させます。
DHAも、血漿中の中性脂肪を減少させ、動脈硬化を防止、
さらに脳の発育と働きを活性化する作用があるそうです。
とくに脳神経組織によいそうですよ。

東洋医学的に見ると、
性質は「平」ですので、寒熱のかたよりはありませんが、
脂が多いので食べ過ぎると下痢しやすく、
胃の負担になるのでもともと消化不良ぎみの方は控えめにお願いします。

鮮度が命ですので、買ってきたらその日のうちに調理して食べましょう。
新鮮なものはお刺身や寿司だねにもなります。
臭みが気になるようでしたら、ショウガを一緒にいただきましょう。
実は焼くと皮下に豊富な脂やコラーゲンが落ちてしまうので、
生でいただくのも賢い食べ方です。
また、煮魚にしてもDHAを効率よく摂れます。
ちょっと酢を入れるといいそうですよ!

さあ、食べたくなってきましたね!
スーパーに買いにいきましょうか。
海に囲まれた日本ならではの、安くて新鮮な魚をもっと食卓に登場させましょう。
特に寒い地方で獲れる魚は、低い水温のなかを生きているわけですから、
脂だって低温でも凍らず、サラサラした脂です。
だから血栓を防止し、サラサラ血をつくるのですね。

さて来週は漢方薬のお話です。
どうぞお楽しみに。

それでは、また次号でお会いしましょう!


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