冬の味覚-ねぎ(20091210)
2009-12-11
こんにちは。はりきゅう師の近藤琉水です(^^)
昼間が短くなりましたので、太陽の光と熱を有効に利用したいですね。
今日はネギ(葱)を取り上げてみましょう。
お鍋の季節には欠かせないですね。
といっても、夏のそうめんや冷奴の薬味にも絶対不可欠ですし、
一年中お世話になっています。
ネギは漢方では白い部分を「葱白」、青い部分を「青葱管」といって、
お薬にも利用します。どっちかというと、薬膳のイメージはありますが。
民間薬としても、カゼのときに大活躍です。
年間を通じてほとんどのご家庭の冷蔵庫に常備されているのではないでしょうか。
そんなおなじみのネギにちょっと注目してみましょう。
ネギは中国西部の原産といわれます。
けっこう強い植物なので、アジアの寒帯~熱帯地域と、広い範囲で栽培されています。
日本では「日本書記」にも記載されているそうで、古くからなじみのある野菜です。
関東ではネギといえば「白ねぎ」、関西では「青ねぎ」が普通。
群馬の下仁田ネギは白い部分が太くて、甘味があり、とっても美味しいですね。
真っ白い根っこをつけた下仁田ネギは、夫婦共白髪を表すお正月のお供えだそうです。
葉ネギの一種、万能ネギは西日本ではよく出回っています。
毎日の薬味に大活躍ですね。
友人で毎朝野菜ジュースを作って飲んでいる人が、試しにネギを入れてみたところ、
激マズだったそうなんです(爆)。
なるほど、ジュースには合わないかもしれません・・・。
あの、独特の刺激的な臭いはアリシンという成分で、ニンニクやタマネギにも
入っています。
アリシンは血行をよくし、身体をあたため、肩こりや疲労の蓄積を防ぎます。
神経を鎮める働きもありますよ。
食欲増進にもいいです。
ただ、熱に弱いのです。加熱によって効力が失われてしまいます。
煮ると辛味が抜け、甘味成分に変化しますので、それはそれで美味しいのですが。
また、水に漬けておいても成分が溶け出てしまうので、
白髪ネギなどする場合も、水にさらすのは短時間にしましょう。
白い部分は抗菌作用のあるビタミンC、緑の部分はベータ・カロチンが豊富です。
他にもセレンという成分はガン予防に有効だそうです。
肉類との相性がよく、臭い消しの作用があります。
また、魚の生臭さも消してくれますので、ショウガと一緒に重宝します。
漢方的にも毒消しの効果が期待できます。
中華ではネギ油で炒め物をすると風味がよくなりますね。
それでは漢方的に見ていきましょう。
性質は、温性、五味が辛味です。
臓腑では肺、胃に入ります。
漢方では「葱白」は身体を温め、発汗を促し、冷えによる腹痛や下痢に効果があると
されています。
筋肉を伸びやかにして痛みを止める作用があるので、肩こりや頭痛にも。
体質的には、気のめぐりがよくなるので、ストレスをためやすいタイプの方は
常食されるといいですね。
反対に、のぼせやすいタイプの方には不利なので、控えめにしましょう。
普段から寝汗をかきやすい方には余り向きません。
風邪の初期症状(鼻づまりなど)、冷えに効くとされています。
痰を除去し、ノドの炎症を鎮め、抵抗力を高める働きがあります。
まさに風邪にピッタリですね。
刻みネギと梅干をよく練り(ショウガ汁や味噌を入れても可)、
熱い番茶を注いで飲むと初期の風邪には非常に有効です。
汗が出て、すっきりと治りますよ。
そうそう、ネギを焼いてノドに巻くというのも、昔は当たり前の風邪ひきの光景でした。
昔の人たちの知恵ですね。
ただし、細かく刻んだほうが、複雑な化学反応を起こし、強い薬理効果を
発揮するそうで、できたら刻んで食するのがよいようです。
“薬味”というくらいですから、お薬にもなるネギ。
たっぷり刻んで、今晩のお鍋に添えてみては?
医食同源、ですね♪
では、次回は帆立貝を取り上げます。
甘くておいしいですよね!!
どうぞお楽しみに!
また次回お会いしましょう。